日本のスタジアムやアリーナはしょぼすぎる

最高のアーティストが呼べない後進国・日本

欧米ではスポーツとエンタメは一体。英国のO2アリーナのように、最新のIT設備をまとい、プロテニスのツアーファイナルから人気アーティストのコンサートまで同一の施設でこなしてしまう。だが日本でも世界一のスタジアムやアリーナが造れるはずだ(写真:アフロ)
欧米に比べ遅れている公的不動産活用をどうすればいいのか。経営と街づくりの視点から鋭く切り込む木下斉(一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンス代表理事)、「共通価値経営」を標榜する野尻佳孝(テイクアンドギヴ・ニーズ会長)、リノベーションなどで優れた実績を誇る馬場正尊(オープン・エー代表/東京R不動産)の3人が、ホスト兼パネリストとして毎回ゲストを迎え、「新しい日本の公共不動産のあり方」をビジネス視点で考える「パブリック・アライアンス・トーク」。
第5回のゲストは「ENTERTAINMENT×TECH」を推進するエイベックス。エイベックス・グループ・ホールディングス社長CEOである松浦勝人氏、エイベックス・エンタテインメント社長の黒岩克巳氏、エイベックス・マネジメントのアカデミー事業グループGMの鎌田博氏を招き、スポーツや音楽ライブなどで使用される日本の「スタジアム」や「アリーナ」は何が足りないのか、どんな進化を遂げる可能性があるのか、議論を繰り広げる。

「ITスタジアム」「ITアリーナ」が当たり前の時代が来る

木下:今回はスタジアムやアリーナを取り上げます。一般的にスタジアムは主に競技場、アリーナは競技場だけでなく音楽のライブ会場なども含め観客席が四方を囲む施設を指すことが多いのですが、まずは海外や国内のスタジアムなどの事例を見ていきましょう。

カリフォルニア州サンタクララにある「リーバイス・スタジアム」は、ITを活用した最先端のスマートスタジアムで、ソフト面でのすばらしさもあって着実に稼いでいる公設・民営のスタジアムです。高性能のネット環境が整備されており、観客はスタジアム専用のアプリをダウンロードすることでデジタルのチケッティング(発券)はもちろん、試合映像の再生、観戦中に自分の座席まで食べ物のケータリングをしてもらうことなども可能になっています。

日本にもITを活用している例があります。大阪のプロバスケットボールチームである「大阪エヴェッサ」のホームアリーナ「舞洲(まいしま)エヴェッサパーク」では、スポーツサービスの質がIT活用でグンと上がりました。昨年のBリーグの開幕戦では、チームラボが手掛けたデジタルコンテンツによるショーが繰り広げられ話題となりました。

実はアリーナ自体は、「府民共済SUPERアリーナ」という施設なのですが、大阪エヴェッサを所有するヒューマンプランニングが大阪市との間で賃貸契約を結び、年間貸付料1000万円、10年契約でこのアリーナを運営しています。エイベックスさんも、かねてスタジアムとITの融合に関心を向けていますね。

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