日本のスタジアムやアリーナはしょぼすぎる 最高のアーティストが呼べない後進国・日本
黒岩:デジタルと大勢の人が集まる場所とは非常に親和性があります。ただ日本の会場というのは全国各地でバラバラのレギュレーション(規制)が入っているので、「この会場はこれができるけれど、あちらの会場ではできない」ということが非常に多いんです。
僕たちは全国的にアーティストのコンサートを展開するわけですが、ある会場では対応ができていても、別の会場ではできないということになると、結局はできない会場に対応を合わせざるをえなくなっちゃうんですね。
スポーツとエンターテインメントが分断されている日本
――オランダのユーロボルフ・スタジアムも見てみましょう。オランダのプロサッカー1部リーグのFCフローニンゲンのホームスタジアムで、既存スタジアムの老朽化を契機に、発電所跡地にスタジアムを中核とした再開発が行われました。フローニンゲン市が民間と共同で開発を行い、複合用途化することによりスタジアムを中心としたエリア開発が実施されました。現在は市が100%出資する事業会社が運営していますが、スタジアムにはカジノやオフィス、教育施設、映画館なども併設されており、試合開催日以外のにぎわいを維持する工夫がなされています。
木下:なぜ日本では、こういう施設ができないんでしょうね。
黒岩:僕らの感覚ではスポーツとエンターテインメントは一直線に結ばれているけれど、日本ではスポーツにストイックな独特の世界があって、エンタテインメントとは切り離されている部分がありますよね。
松浦:施設の使用料にも、それが表れていますよ。同じ施設をコンサートのために借りると、スポーツで利用するときよりも高くとられるんですよ。
黒岩:アメリカンフットボールの試合と、同じスタジアムで行うコンサートは、どちらもエンタテインメント性が高いわけですよね。それなのに「スポーツだから安くて、音楽だから高い」ということはもうやめて、どちらも同じような金額でやっていくべきだと思いますね。
野尻:このユーロボルフ・スタジアムのケースは、日本でもぜひ参考にしたい事例ですね。
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