「50歳以上で恋愛なんて」は偏見に満ちている 知られざる「50代以降の結婚」の実情

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――若々しくて、レディファーストができて、おカネもある男性には人気が殺到しそうですね。ほかに女性が気にするポイントはありますか。

最初から相手の学歴にこだわる女性も少なくありません。しかし、高卒の方も多い世代ですし、たたき上げで事業を成功させている立派な方もいます。「自分を含めて周囲は大卒ばかりだから」といった程度の理由で対象を狭めてしまうと、お相手を見つけるのに苦戦するのは確実です。

おカネ、学歴、身長などのオールスペックがそろった人だけを探すのは戦略として良くありません。条件を下げたら一緒にいて落ち着ける相手が見つかった、というケースはたくさんあります。

婚活キーワードは「健康」

――最後に、中高年ならではの婚活キーワードがあれば教えてください。

「健康」です。心身ともに健康な人を希望する方はとても多い。寿命を意識し始めている世代なので当然なのかもしれません。でも、これからパートナーを探したい理由を聞くと、「自分がこの先どうなるか不安だから」と明かしてくれたりします。介護はしたくないけれど、自分の介護はしてほしい、ということでしょうか。人間らしいともいえますが、ちょっと矛盾しています。

安心を与え、安心をもらうのが結婚です。もしもどちらかが倒れたときは支えればいい、お互い様だから、という気持ちが必要だと思います。

健康に関して一言。いま、たばこはすごく大きなファクターになっています。女性の場合、「たばこを吸わない男性」であることを絶対条件に挙げる人が多いのです。喫煙者も少なくない世代ですが、たばこは頑張ってやめましょう。それだけで出会いの確率は大幅に上がります。

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中野さんの話を聞き、こうして原稿を書いていると、恋愛や結婚に年齢はあまり関係ないことに気づく。誰もが安心して健やかに暮らしたいし、何でも相談できて一緒に笑い合えるパートナーがほしいのだ。だから、モテる人のポイントに関しても若い世代とほとんど変わらない。

いま結婚している筆者も、離別もしくは死別でいずれ独身に戻る確率は決して低くない。そのときは再びすてきなパートナーを見つけ、見つけてもらえる男性になりたいと思った。「人と人とがつながることは決して恥ずかしいことではない」「何歳になっても、結婚したいという気持ちに素直になっていい」という中野さんの言葉を肝に銘じたい。

大宮 冬洋 ライター

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おおみや とうよう / Toyo Omiya

1976年埼玉県生まれ。一橋大学法学部卒業後、ファーストリテイリングに入社するがわずか1年で退社。編集プロダクション勤務を経て、2002年よりフリーライター。著書に『30代未婚男』(共著、NHK出版)、『バブルの遺言』(廣済堂出版)、『あした会社がなくなっても生きていく12の知恵』『私たち「ユニクロ154番店」で働いていました。』(ともに、ぱる出版)、『人は死ぬまで結婚できる 晩婚時代の幸せのつかみ方』 (講談社+α新書)など。

読者の方々との交流イベント「スナック大宮」を東京や愛知で毎月開催。http://omiyatoyo.com/

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