「50歳以上で恋愛なんて」は偏見に満ちている 知られざる「50代以降の結婚」の実情

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――いきなり本題ですが、アラフィフの人が結婚したい動機と、その人たちの傾向を聞かせてください。

元銀行員の中野さん。コミカルで優しい雰囲気の男性です

スーペリアの会員さんの多くはアラフィフどころかアラカン(アラウンド還暦)です。男性会員の平均年齢は約61歳で、女性は約55歳ですから。結婚を希望する出発点は「寂しさ」です。女性の場合は経済的な不安感があるという方もいますが、基本的には「心を満たせるパートナーが欲しい」のです。

この年代になると結婚歴のある方が男女ともに約7割で、男性は離別だけでなく死別の方も多いのが特徴です。女性よりも男性のほうが寂しがりなのだと思います。

男女の平均寿命の差を考えると、女性のほうが夫に先立たれるケースが多いはずです。再婚すると遺族年金がもらえなくなるなどの理由もあり、死別後に結婚を希望する女性は少数派。離婚した後に子どもを育ててきて、その子が進学や就職で巣立つタイミングで「動きやすさと寂しさ」を同時に感じて入会するケースが多いと感じています。

ただし、厚生労働省の統計をみると、近年は再婚数の伸びは頭打ちです。一方で弊社のサービスは毎年1.5倍ずつ会員数を伸ばしています。入籍をしないつながりも多くなっているのかもしれません。会員さんにも「入籍は希望しない」「お相手次第」という方も少なからずいます。

カップルになった人の表情はとにかく明るい

――最終的に結婚をするしないにかかわらず、孫がいるような年齢になってから恋愛をするのは気恥ずかしくないでしょうか。

人と人とがつながることは決して恥ずかしいことではありません。恋をして、相手を大切に思うと、自分も若々しく優しい人間になれます。1+1が3以上になれるのです。何歳になっても、結婚したいという気持ちに素直になっていいのだと私は思います。

根拠があります。カップルになった人の表情はとにかく明るいことです。これが私たちの仕事のやりがいでもあります。みなさんすごくハッピーなのです。たとえば、以前にカップルになった60代前半のお2人。男性は趣味のハイキングに女性を連れて行き、女性は生まれ故郷の思い出の場所に男性を案内しました。お互いの過去を尊重して、未来へ進むいい事例として記憶に残っています。

カップルになると、お子さんをはじめとした周りのご家族、ご友人といい意味で適度な距離を保てるようになります。依存度が下がり、自立するのです。誰しも子どもの負担にはできればなりたくないですからね。前向きな人生を送るためのパートナー探しは恥ずかしいことではないのです。

ただし、弊社のサービスにも入会を躊躇する方は少なくありません。女性の場合は、年齢を重ねていることで「男性から選んでもらえないのではないか」という不安を抱えています。確かに男性は自分より年上の女性にはいかない傾向がありますが、常識的な人ならばすごく若い女性にアプローチしたりはしません。話が合わないし、自分が選ばれる確率も低いと思うからでしょう。「同世代の女性とご縁をつくりたいと思っている男性も十分にいる」ことをお伝えすると安心していただけます。

男性の場合は、作られた仕組みの中で婚活することに抵抗感がある人もいるようです。プライドがあるのですね。比較すると、女性は「やるしかないよね」と思い切りのいい方が多いと感じています。

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