評価されない「孤独な時間」が成功を導く理由

「才能の芽」を伸ばすためには何が必要か

トーマス・エジソン、アルバート・アインシュタイン、スティーブ・ジョブズ……世界を変えるような「本物の天才」たちは、社会的(それはすなわち、群れの中の評価基準において、ということです)に認められるまでは、周囲から「変人」「役立たず」といわれていた人たちです。

しかし、まさにその「役立たず」とされた部分にこそ、彼らの「才能」は宿っていたのです。

私たちは、エジソンが作った電球や、ライト兄弟が作った飛行機や、スティーブ・ジョブズが作ったiPhoneの素晴らしさを理解することはできます。しかし、それらを生み出す元になった彼らの「感性」や「感覚世界」そのものについては、ほとんどといっていいぐらい、理解も、共感もできていません。そして、「才能」の本質は、そうした周囲の理解も共感も得ることができない感性や感覚世界にこそ宿るものなのです。

群れの中ですぐにもてはやされ、賞賛される才能は、いってしまえば「手垢がついた才能」に過ぎません。それは過去の何かの焼き直しである可能性も、少なくない。本当に新鮮で、新しい世界を切り開いていくような才能は、群れの中で過ごしている限り、周囲からはなかなか「才能」として認識されないものなのです。

「才能の芽」を摘まないために

本当の才能は、それがどんな価値を持つものなのか、開花したあとでないと評価しようがないものです。

しかし、だとすれば私たちはどうやって、それを見出し、伸ばしていけばいいのでしょうか。

まだ価値があるのかどうか見当もつかないもの。そこに「才能」を見出すには、どうしたらいいか。これは、子育てをしている親御さんや、学校の先生、会社の上司など、誰かを教育する立場にある人であれば、誰もが頭を悩ますところでしょうか。

確かに、これは難問です。しかし、少なくとも心理学的には「才能の芽」を育てるうえで、ひとつの原則があります。それは「物事に集中する時間が、才能の芽を育む」ということです。

私たちは何かに集中しているとき、「群れ」からの評価を気にせず、自分の内側にある、自分だけの尺度で物事に取り組むことができます。それは、私の考える「ひとりぼっちの時間=ソロタイム」そのものです。

飛行機作りに邁進するライト兄弟は、おそらく、周囲からは「狂気」に取り憑かれているように見えたはずです。しかし、その狂気に満ちた時間の中で、彼らは人類史を変える足跡を残しました。

時を忘れるほど物事に没頭している時、その人は、所属する「群れ」から、排除され、孤立してしまいがちです。しかし、本当の才能は、そのような「誰からも才能を見出されない助走期間」によってのみ、育まれるものなのです。

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