白百合卒ママが我が子を公立に行かせた事情 なぜ「アンチ白百合」になったのか?

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早希さんの力のこもった主張に圧倒され、取材班は黙って頷く。そして心に浮かぶ疑問をそのままぶつけてみることにした。

――そういう“普通じゃない”考え方というのは、どのようにすれば身につくのでしょう?

その質問を待っていたかのように、早希さんは笑顔を取り戻す。そして、少しもったいぶった様子で口を開くのだった。

「レッジョ・エミリア教育って、ご存知かしら?」

――レッジョ…エミリアって何ですか?

取材班はもちろん初耳であったため、そのよくわからない横文字について早希さんに説明を求めた。

子どもの教育方針には様々な考え方があるが、レッジョ・エミリア教育では「子どもは100人いれば100通りの個性があり、100の可能性がある」という信念に基づき、主にアートを通じて子どもの個性を最大限に尊重する教育を行う。

よって一律のカリキュラムなどはなく、具体的に何を学ぶかは子どもたちが自ら興味を示したものを元にしてそれぞれ個別に決められるのだという。

早希さんの娘は、家からほど近い南青山の私立幼稚園に通っていたそうだが、もちろん該当の幼稚園はレッジョ・エミリア教育ではない。

「米国ではディズニーやグーグルの社内幼稚園でもレッジョ・エミリア教育が採用されているんです。でもまだ日本の幼稚園にはほとんど浸透していないんですよね…そのため私自らが学び、家庭で実践していました」

道は自力で切り拓くもの

――そんなに様々な教育方針があるんですね…。

幼稚園のカリキュラムなど、どこもそう変わらないのでは…。そんなことを早希さんの前で軽々しく口にしたら、一触即発となりそうである。

「最近では、モンテッソーリ教育も話題ですね。つい先日、最多連勝記録を達成した藤井聡太四段がモンテッソーリ教育を実践する幼稚園に通っていたとか」

ちなみにモンテッソーリ教育はすでに日本でも割とメジャーであり、早希さんが通った白百合学園幼稚園もモンテッソーリを取り入れているそうである。

この他にも様々な教育方針があるそうだが、早希さんが傾倒したのはレッジョ・エミリア教育だった。

個性を重んじるのであれば、インターナショナルスクールという選択肢もあったのでは…?ふと、そう思った取材班だったが、その質問は聞かないでおいた。

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