神奈川の名門男子校で毎日続く珍風景の意味 栄光学園は半裸のラジオ体操で生徒を育てる

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ただし、LGBTの観点や皮膚の病気などにも考慮し、上着を脱ぎたくないという生徒に無理強いはしない方針を明確にした。体操ができないという生徒にももちろん無理強いはしない。

「せっかく新しい形式でやるのなら心機一転、いい中間体操にしようと思って、私も張り切りました。適当にやっている生徒がいたら壇上からダメ出しするなど、最初は全員にきっちり体操をさせようと意気込みました。しかし1000人以上の生徒全員にきっちりやらせるなど無理だとすぐに気付きました。無理矢理やらせるのではなく、思わず一緒にやりたくなるような手本を見せることに意識を傾けたほうがいいと考えを改めました」(古賀教諭)

体操が終わると半裸の生徒たちがぞろぞろと校舎に戻る(写真は筆者撮影)

本当に大事なことの意味はあとからわかる

教員同士の侃々諤々の議論を経て今、中間体操を続けることにどんな意味があると思うか。

「一言で言えば伝統を引き継いでいるという自覚でしょう。中間体操は学校の文化です。でも今後は、より現代風にダンスみたいな要素を取り入れたり、より楽しくリフレッシュできたりする形式に変えていってもいいかなと考えています。その際には生徒会にも意見を出してもらおうと思います」(矢口教諭)

「朝、大船駅から坂道を上って約15分間のウォーキング。2時間授業を受けてから中間体操。また2時間授業を受けて昼休み。また2時間授業を受けて放課後。このリズムがちょうどいいんです。3時間目は居眠りする子が少ないと思いますよ(笑)」(壱岐教諭)

上半身裸で行うことにはどんな意味があるのか。

「一つには、身体性の回復が挙げられます。身体というものは実は自分の不如意なるものとして存在しているわけです」(望月校長)

自分の身体は自分の意志で動かしているものだと人は思いがちだ。しかし自分の身体だって、人は自分の意志ではなかなか思い通りに動かせない。特に冬の寒い時期に中間体操をすることで、それを実感するのだという。

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