瀕死状態でもトランプ政権が強い根本理由 有権者を支持者に絞ればいい
環境保護庁(EPA)スコット・プルイット長官の下で進められた環境規制の後退はトランプ大統領の勝利の証の中でも最も重大なものの1つであるが、これも各地で軽蔑されている。国民はまた、職場の安全基準の緩和や全米家族計画連盟への資金援助の停止に反対している。
もっとも共和党は、一般投票では劣勢に立ちながらも、地方に住む人々や、年配白人層に通常以上の権力を与える構造的な強みを通じて、政権を勝ち取ったのである。
実際、白人が大多数を占める小さな州を勝ち抜いた共和党員が、上院のほとんどを占めている。一方、上院の民主党員の多くは、カリフォルニア州など大きな州から選出されており、上院で過半数を占めている共和党員よりも、数百万票も多く票を獲得した。
票数で共和党を上回っても…
選挙人団もまた、小規模な州を支持しており、民主党のヒラリー・クリントン氏のほうが300万票余り多く票を勝ち取ったにもかかわらず、トランプ大統領がホワイトハウスに入ることになった。
何か特別なことが起こらないかぎり、来年の中間選挙は似通ったことが起きるだろう。世論調査の結果では、多くの民主党候補者が票数では、ライバルの共和党候補者を上回ると予想されている。
ただ、民主党支持者が都市部に集中する傾向があることに加え、ペンシルベニア州やノースカロライナ州において共和党が自党に優勢になるような区割りを行っていることによって、結果は世論調査と異なることもありうる。2012年に起こったように、民主党が票数で上回っても、下院で過半数を握れない可能性もあるのだ。
多くの政党は、同じような人に支持される政策を打ち立てることで、多くの有権者の支持を得ようと試みる。が、近年の共和党はこれとは異なる。議案への支持率がどんなに低くても、不人気かつ極端に右寄りの政策から身を引くことはない。それでも、共和党がさまざまなやり口で「多数派」の意図を操作することによって、議案を通すことが可能になりつつあるのだ。
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