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カープぶっちぎりから学ぶべき「2つの教訓」 若手サラリーマンも経営者も知ってほしい

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ついでに市民球場の時代の大エース、池谷公二朗さんは「今の選手は恵まれとるよ。俺たちの頃は『ボール3』になると、『何やってんだ! しっかりせい!』とかやじられたもんだけと、今じゃ、『頑張れ!!』と拍手で声援されるんだよ。今のカープファンは幸せじゃろ」とテレビでおっしゃっていました。

大リーグからソフトバンク・ホークスに帰ってきた川崎宗則選手が今年初めて交流戦で広島に来て「マツダスタジアムの応援の雰囲気がすごい。やじが飛ぶこともなく、みんながワーッと応援するのに感動した。カープが強い理由がわかった」と新聞のインタビューに答えているくらいです。

カープの成功から得られる「2つの教訓」とは

ここでわれわれが得る教訓が2つあります。

(1)指揮官が将来を見据えて、とにかく若返りという決断をする、そして(2)それを我慢強く見守るファンの存在がチームを強くする、ということです。会社でいえば、経営者がこうだと決断した思い切った若返り策を、ファンたる株主がどれだけ信頼して見守れるかが、企業の成功のカギを握っているといえましょう。

実は成功している多くの企業というのは、こうした株主との関係を築いており、失敗する企業というのは要するに株主の声を恐れて経営者が思い切った組織改革や若返りなどの決断が遅れるケースが極めて多い。

それは実際、野球でも同じですよね。何億円も払って他球団からFA(フリーエージェント)で「おっさん」ばっかり取ってきて、それでも勝てなくて下位に沈み、折角の若い戦力はほかのチームに行ってしまうというケース(どことは言いませんよ……笑)。これは企業でもどこでもまったく同じです。

いまや時代の変化はすさまじい。どう考えても、経営者が自分で勉強をして最先端についていくなんてことは絶対に不可能なのです。

そんな中で、経営者ができる唯一のことは、その時代をとらえられる、切り開く能力のある新しい力の登用を躊躇なく決断し、それを株主にきちんと説明することに尽きるのです。

まあ、簡単に言えば、老兵はさっさと現役を退きなさいよ、ということでありますが、これが会社の将来を決めていくわけです。組織が大きくなればなるほどこういう決断が必要で、本人はそれこそこれまでの経験を生かして、どこか新天地で新しい企業を立ち上げればいいわけでありまして、その地位に恋々とするのは格好としてもいいものではありません。

今の日本の実業界においていちばん欠けているのがこの「年長者の速やかな引退」という問題のような気がします。カープを見習って、さっさと若い連中に世代交代をするべきで、「世代交代」こそがこれからの企業の成功のキーワードです。(競馬コーナーは夏なのでお休みです。ご了承ください)

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