アウディの最高峰「A8」が見せた最新進化 目を引くスタイルと先進メカニズムを搭載

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インテリアのデザインも実に印象的だ。操作系で洗練さに磨きをかけたのは、ダッシュボード回りのタッチパネル式ディスプレイだけでなく、たとえば室内のドアハンドルも“電子化”した。ほんの1〜2mmほど手前に引くだけで電気的にロックが解除(!)となる機構を盛り込むなど、先進性を積極的にアピールするアウディらしいアイデアを多数採用している。

アクティブサスペンションで動きをフラットに

48V系電源は、アウディ Q7やおなじグループ内のベントレー ベンテイガにも部分的に用いているが、新型A8ではエンジンに取り付けた発電機自体を従来の12Vではなく48Vとすることでパワフルな電気系を実現した。この恩恵でマイルドハイブリッドと呼ばれる比較的コンパクトなハイブリッドシステムを全モデルに採用できたほか、車体の姿勢を積極的にコントロールするアクティブサスペンションの搭載が可能になった(別途PHVモデルも追加される)。

もっとも、アクティブサスペンションといっても1980年代のF1マシンのようにホイールストローク自体を車体側が積極的に制御するものではなく、エアサスペンション、電動モーターで4輪を個別に制御する車高調整装置の一種である。可変ダンパーなどとを組み合わせた構成となっているのが特徴だ。

このうち、1秒間に3~4回ほどの速さでホイールを上下できる電気モーターは、たとえば車両前方を監視するカメラで路面の凹凸を検出すると、路面からのショックを最小限に抑えるようにフロントの車高をあらかじめ調整。ボディを極力フラットに保つことで快適な乗り心地を実現するという、世界初の機能を備えている。

なお電気モーターは、ロールやピッチといった動きを抑え込むためにも用いるほか、ホイールが上下する動きを利用して電力を生み出すエネルギー回生も実現しており、アクティブサスペンションの搭載によって増大した電力消費量を低減する役割も果たす。

エンジンはディーゼルが 3.0リッターV6と4.0リッターV8の2種、ガソリンが3.0リッターV6、4.0リッターV8、6.0リッターW12の3種で、クワトロを全モデルに標準装備。前述のとおり、3.0リッターV6ガソリン・エンジンと電気モーターを組み合わせたPHVも追ってデビューする。

なお、駆動系は全車ともクワトロとなる。本国ドイツでは2017年晩秋に販売を開始し、自動運転機能は2018年より段階的に投入する見通しという。日本での発売はおそらく2018年以降で、自動運転機能については認証などの手続きを踏む必要がある。

ライバルであるメルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズ、そしてつい先日、日本でも発表となったレクサス LSに対して、新型A8がどんな魅力を手に入れたのか。1日も早くそのステアリングを握ってみたいものだ。

(文:大谷達也)

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