「MINI」が初のハイブリッド、超人気は続くか 燃費は見劣りするが、ブランド力に自信
輸入車「MINI(ミニ)」の爆走が止まらない。
2016年、ミニは国内輸入車販売のモデル別ランキングで、長年不動の1位だったフォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」から、首位の座を奪い取った。販売台数は8年連続で過去最高を更新中だ。日本自動車輸入組合によれば、今年上半期(1~6月)も、ミニはゴルフを抑え、モデル別首位を死守した。
そしてこの夏、ミニは新たな勝負をかける。プラグインハイブリッド車(PHV)だ。
ミニの親会社、独BMWの日本法人は7月6日、ブランド初のPHVモデル「MINIクーパーS EクロスオーバーALL4」を発表した。コンパクトSUV「MINIクロスオーバー」がベースになっている。価格は479万円で、7月8日から全国のディーラーで販売が始まる。
PHVは、モーターで動く電気自動車(EV)とエンジンで動くガソリン車の両方の要素を合わせて作られたハイブリッド車で、コンセントによる充電とガソリンスタンドでの給油どちらにも対応している。通勤など近距離は電池で走り、週末など長距離を走るときはガソリン車と同じ使い方が可能だ。
燃費が他社より見劣りする理由
ミニはもともとコンパクトカーとして「やんちゃで若いイメージ」が強かったが、近年車両の大型化とともに、商品群を拡充した。特にクロスオーバーは幅、高さ、奥行きのすべてがゴルフを上回り、トヨタ自動車の「プリウス」と同等のサイズだ。独自のブランド力で、都市部であっても車を持つことに価値を見いだす、熱心なファンを増やしてきている。
今回ミニが発売するクロスオーバーのPHVは、ガソリンを使わずモーターのみで走る際の航続距離が42.4キロメートル。街乗りには充分な水準だ。しかし燃費は1リットルあたり17.3キロと、他社のPHVに比べて見劣りする。
これは燃費をよくするための軽量化やデザインを優先していないためだ。MINI本部長のフランソワ・ロカ氏は「重視したのは燃費でもパフォーマンスでもなく、ユーザーのライフスタイルだ」とアピールする。同社がミニのユーザーに行った調査では、走行性能の高さよりも、日常生活やレジャーでの使い勝手やファッション性が求められていることがわかったという。
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