「2代目プリウスPHV」、大刷新に込めた野望 トヨタがHVの次を見据えて本気モードに
捲土重来を期すことはできるか――。
トヨタ自動車は2月15日、EV(電気自動車)走行距離を初代より大きく伸ばした新型プラグインハイブリッド車(PHV)「プリウスPHV」の発売を同日始めたと発表した。「プリウス」を中心に世界を席巻したハイブリッド車(HV)に続き、プリウスPHVは次のエコカー覇権争いを見据えた試金石となる。2012年に発売した初代プリウスPHVは不発だったが、今回は失敗が許されない戦いとなりそうだ。
記者会見は力が入っていた。燃料電池車(FCV)「MIRAI」を発表した「日本科学未来館」(東京都江東区)を会場に選び、1997年に発売した初代プリウスのチーフエンジニアを務めた”ミスターHV“の内山田竹志会長が登壇。「直接思いを伝えたくてここに来た。全世界でトヨタのハイブリッド車の累計販売はこの20年で1000万台を超えた。環境、エネルギー問題に取り組む中で、すべての始まりは初代プリウスだった。その後すべてのラインアップに入れて普及に努めた」と回顧した。また「ハイブリッドの次を担うエコカーの本命はPHVだ。プリウスPHVはお客様の期待を超える別次元の進化をした。自信作だ」と断言した。
2012年発売の初代プリウスPHVは不発
プリウスPHVは家庭などの外部電源から充電でき、日常生活ではEVとして走行可能なことが特徴だ。充電した電池が切れても、ハイブリッド車としてエンジンとモーターを併用して長距離走行ができ、1リットル当たり37.2キロの低燃費を実現した。また、量産車として世界で初めて、ソーラーパネルを車両ルーフに搭載。太陽光を利用して屋外で駐車している間に充電もできる。価格は326万円からだ。
トヨタは2012年にプリウスPHVの初代を発売したが、これまでの販売台数は日本で約2万2000台。年間3万5000台~4万台の目標に遠く及ばなかった。欧米も含めたグローバルでも約7万5000台にとどまっている。HVとPHVの外観がほぼ同じであったほか、モーターのみで走行するEV走行距離もわずか26.4キロと短かった。一方で価格差は大きく、購買動機が見いだせないという声が多かったためだ。
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