「MINI」が初のハイブリッド、超人気は続くか 燃費は見劣りするが、ブランド力に自信
輸入車のPHVは、ここ数年で日本での投入が加速した。ほかの輸入車ブランドと比較するとミニは後発だといえる。しかし実はBMWグループの中で初めてEVを開発したのはミニだ。2008年、600台ほどの試作車を生産し、顧客による試乗を実施している。
ただサイズの小さいミニでは搭載できるバッテリー容量が少なく、航続距離が限られるため量産に踏み切れなかった。EVやPHVはミニに先立ち、車体の大きいBMWブランドに導入された。
そのうちの一つで、ミニとプラットフォーム(車台)を共有する「2シリーズ アクティブツアラー」のPHVシステムを転用することで、今回、ミニ初のPHVが実現した。システムの量産効果もあり、VWのPHV「ゴルフGTE」と同等の500万円を切る価格に抑えられたという。
商品群こそ増えてきたが、PHVは認知度に課題を残す。輸入車市場に詳しい独コンサルティング会社、ローランド・ベルガーの貝瀬斉氏は「ハイブリッド車が普及した日本では、PHVの購入に対して慎重になりやすい」と指摘する。
販売が伸び悩む輸入車のPHV
実際、各社のPHV販売台数は伸び悩んでいる。独アウディの「A3スポーツバックe-tron」は、2015年秋からの累計で270台。VWの「ゴルフGTE」や「パサートGTE」は合わせて累計1100台で、国内販売の1%にも満たない。独メルセデス・ベンツも5車種のPHVを展開するが、国内で数%にとどまる。
すでに6車種のPHVを日本で展開するBMWグループは販売比率は非開示。ただ「今後より低価格のモデルにもPHVを広げる」(広報)という考えだ。また、2017年度は国から支給されるクリーンエネルギー自動車(CEV)補助金の算出方法が変わり、これまでBMWのPHVは1台当たり7~8万円だったが、今年は20万円が支給される。これまでよりもお得感は増しそうだ。ミニの生野逸臣・プロダクトマーケティングマネジャーは「クロスオーバーにおけるPHVの割合を1~2割にしたい」と意気込む。
今年に入ってからトヨタのプリウスが2代目PHVを発売。昨秋の発売以降、売れ行きが好調な日産自動車「ノートe-POWER」は、ガソリンエンジンが発電に徹し、走行はすべてモーターを使う車だ。電動車の走りに対する認知度は上がってきているのは確か。輸入車市場への波及も期待される。
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