金正恩の大暴走をロシアが手放しで喜ぶワケ

米国には目障りな中国・ロシア戦線

7月4日、ロシアと中国は緊張緩和への参画を北朝鮮、韓国、米国に呼びかけた(写真:Sergei Karpukhin/ロイター)

北朝鮮が長距離弾道ミサイル(ICBM)実験を行ったことによる最も恐ろしい影響は、ミサイルが日本海に落ちたことではない。中国の習近平国家主席と、ロシアのウラジミール・プーチン大統領が、北朝鮮危機に対し共同戦線を張ることに合意したことである。もちろん、この戦線の標的は北朝鮮ではない。地域で軍事力を高めつつあるとして、中国とロシアが共に非難している米国である。

7日からドイツのハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)サミットを目前に控え、中国とロシアの首脳陣は、北朝鮮によるミサイル実験を理由に自分たちに有利に事を運ばせようと考えているに違いない。

中国とロシアによる共同声明は、緊張状態を緩和するため中国とロシアは「公正な」アプローチを講じているとうたっている。この概念は、中国版によれば、北朝鮮は核実験と弾道ロケット打ち上げの一時停止を「自発的に」宣言し、米国と韓国は「大規模な共同軍事演習」を中止するということだ。

トランプ大統領には打撃

この考えは、朝鮮半島から米国軍の駐留を実質的に拒否するものとして、米韓両国は以前から強固に却下している。

ロシア側はまた、終末高高度防衛(THAAD)弾道ミサイルシステムの韓国内の配備について継続的に反対する中国側を全面的に支援すると申し出ている。両国によって出された共同声明で、この配備は「ロシアと中国を含む関連地域の戦略的安全保障上の利益に深刻な損害を与える」とし、「ロシアと中国はこのシステムの配備に反対し、関連国に対しては配備プロセスを即座に中止するよう求める」と述べた。

ロシア専門の政治アナリストたちは、この新たな戦線は、ドナルド・トランプ大統領に北朝鮮問題を解決させようという企みが失敗したことを意味する、と断言する。また、これによってトランプ大統領はロシアとの関係改善をあきらめるよりほかなくなるが、米国のエスタブリッシュメントによる「仕組まれた関係後退」とアナリストたちは見ている。

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