消費増税の影響点検、9月上旬安倍首相に報告へ 59人の有識者・専門家からヒアリング

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8月20日、政府は、消費増税の経済や財政への影響を点検する集中点検会合の概要を発表した。写真は麻生財務相。4月、ワシントンで撮影(2013年 ロイター/Larry Downing)

[東京 20日 ロイター] - 政府は20日、消費増税の経済や財政への影響を点検する集中点検会合の概要を発表した。26日から31日まで7回にわたって総論と「経済・金融」や「国民生活・社会保障」など4つのテーマに分けて59人の有識者・専門家から甘利明経済再生担当相、麻生太郎財務相らが直接意見を聞く。

安倍晋三首相には、9月上旬の出来るだけ早い時期に意見交換の概要を報告する。会合の概要を発表した甘利担当相は記者団に、首相報告では意見集約にとどめ、増税について結論づけることはしないと強調した。

会合は初日に「総論」の意見を聞き、その後は「経済・金融」「国民生活・社会保障」「産業」「地方・地域経済」のテーマ別に開催。政府側からは麻生財務相のほか甘利明経済財政担当相、経済財政諮問会議の有識者議員、また黒田東彦日銀総裁も出席する。

経済・金融では、消費増税によって国民生活や経済活動にどういった影響があるかに加え、日本財政の信認維持、質の改善の観点からどんな課題があるかなど意見交換する予予定。出席者がそれぞれ10分弱で意見を表明し、その後、自由討議に移る。

人選にあたって甘利担当相は「最初から結論が類推される偏った人選ではなく、職業・年齢・消費増税についての考え方など、バランスよく配置した」と指摘。グループ分けでも、消費税に対して、引き上げるべきと慎重に考えるべきとの主張を展開する人を配置し、ひとつの会合でバランスよくいろいろな意見が聞けるようにしたと語った。

点検会合の結果については「9月上旬の出来るだけ早い時期」に首相に直接報告する予定。報告は「(消費増税について)最初から意図的に方向を決めるのではなく、なされた議論をコンパクトに集約して報告する」とし、増税について「結論づけることはすべきではない。あくまでも、首相が秋に行う判断材料の1つにしてもらうつもりで、バイアスはかけない」と強調した。

テーマ別に参加する主な有識者・専門家は以下の通り。

●26日17時─19時開催:総論

岩田一政・日本経済研究センター理事長(元日銀副総裁)、社会学者の古市憲寿氏、米倉弘昌・日本経団連会長(住友化学会長)ら7人。

●27日17時半─19時半:経済・金融1回目

伊藤隆敏・東大大学院教授、稲野和利・日本証券業協会会長、浜田宏一内閣官房参与(米エール大名誉教授)ら9人。

●28日9時─10時半:国民生活・社会保障1回目

井伊雅子・一橋大大学院教授、吉川萬里子・全国消費生活相談員協会理事長ら7人。

●28日10時45分─12時45分:産業

岡村正・日本商工会議所会頭(東芝相談役)、清水信次・日本チェーンストア協会会長(ライフコーポレーション会長兼CEO)、豊田章男・日本自動車工業会会長(トヨタ自動車社長)ら9人。

●29日15時─17時:地方・地域経済

立谷秀清・福島県相馬市長、谷正明・地銀協会長(福岡銀頭取)、萬歳章・全国農業協同組合中央会会長、古川康・佐賀県知事ら9人。

●30日15時─17時:国民生活・社会保障2回目

白石興二郎・日本新聞協会会長(読売新聞グループ本社社長)、清家篤・慶應義塾長(社会保障制度改革国民会議会長)、林文子横浜市長ら9人。

●31日15時半─17時半:経済・金融2回目

植田和男・東大大学院教授、國部毅・全銀協会長(三井住友銀頭取)、本田悦朗内閣官房参与(静岡県立大教授)ら9人。

(吉川裕子 伊藤純夫 竹本能文 山口貴也)

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