慶應幼稚舎には「社会の上澄み」が集っている 福翁自伝対策セミナーもある"お受験"の実態
お受験そのもので問われなくとも、その過程ではやはりネットワーク力、つまり良質な縁がモノを言うのだから。
「きっと、私たちが幼稚舎出身だったら、もっと難なく情報を得られたでしょうね」
桜子さんはそう言って、口元だけで笑った。その渋い表情から、情報戦に疲弊したことが嫌でも伝わってくるのだった。
「実際、私たち夫婦は出遅れてしまって…4歳から幼児教室に通わせましたが、幼稚舎に毎年定員の半数を入学させている某有名幼児教室には、もう定員オーバーで入れませんでした」
その有名幼児教室には0歳児からのクラスがあり、人気ゆえ歳を重ねるごとに途中入学が難しくなるのだという。
幼稚舎は“社会の上澄み”が集う場所
――ちなみにその…幼児教室と、運動と絵画の先生への講師料も含めると、月額いくら位かかるものなのでしょう?
桜子さんが、さりげなく金額の話を避けていることに気づいてはいたが、取材班は思い切って尋ねた。
通わせる頻度や、講座によっても違うので…と、一旦は曖昧に誤魔化そうとした桜子さんではあったが、取材班が引かないのを見て観念したようである。
「そうですね、月20~30万という方が多いのではないでしょうか。運動や絵画以外に英会話なども通わせて、月60万、なんて方もいらっしゃいましたけど」
月20万ということは…年間240万。しかもそれは通常時の話で、お受験間近になれば合宿やら冬季特訓、個別指導や志望校別模試など…どんどん費用は嵩む。
わかってはいたが、やはり幼稚舎は“社会の上澄み”が集う場所なのだ、と取材班は改めて痛感した。
小学校に入る前から、これだけの金額を子どもに投資できる家庭は必然的に限られる。
さらに言えば、経済的条件だけあれば良いわけでもないのだ。
もちろん、子どもの資質が最も重視されていることは間違いない。
とはいえ願書の自由記入欄を使って“間接的に”アピールできる経歴、そして、有用な情報を入手できる良質なネットワーク基盤を持つ者が有利となることもまた、事実なのである。
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