アマゾン「ホールフーズ買収」の重大な意味 ウォルマートに真っ向勝負
[シカゴ/サンフランシスコ 18日 ロイター] - 米ウォルマート・ストアーズ<WFM.O>が昨年、ジェット・ドット・コムを30億ドルで買収したのは、オンライン小売り分野でアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>に押されっぱなしだったウォルマートが反撃ののろしを上げた重要な出来事だった。
そして今度はアマゾンが、実店舗分野で圧倒的存在感を占めるウォルマートへの対抗策を打ち出してきた。16日に自然・有機食品小売り大手ホールフーズ・マーケット<WFM.O>を140億ドルで買収すると発表したのだ。
食品小売り市場を根本からひっくり返す形に
両社の動きは、実店舗とオンラインの間にあった従来の垣根が消えつつあり、それぞれの優位が絶対でなくなっていることを物語っている。
アマゾンのホールフーズ買収は、既に激しい価格競争が展開されている米食品小売り市場を根本からひっくり返す形にもなる。つまり同市場の収入が1月末までの年度の全売上高の56%を占めるウォルマートにとって、影響はこの上なく大きい。アマゾンとしてはホールフーズの店舗を利用し、4700店で大規模な食品小売り事業を展開するウォルマートとどのように競争していくかを学ぶことができる。
アマゾンは評判が良くないホールフーズの高価格を引き下げ、ウォルマートの顧客層を取り込むようにするだろう。
ウォルマートも備えを固めている可能性がある。食品価格戦争を見越して、ここ数カ月は値引きや生鮮品・食肉の特売、店舗改装、オンラインスーパーの拡充などに取り組んでいる。