安倍首相、消費増税は凍結しましょう 増税=超絶デフレ政策なら、アベノミクスは台無しに

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まとめに入ろう。

◎ 政府債務を無理に返そうとするな。その代わり名目GDPを成長させ、政府債務を問題のない比率にまで下げるほうが望ましい。

◎ 名目GDP成長のため「通貨価値を下げ、資産価値を上げる」政策は有効である。インフレ2%を目指す異次元緩和は、長期的な財政再建への第一歩となる。

◎ 消費税引き上げは、将来の経済成長と税収を犠牲にする超絶デフレ政策である。短期的な「財政均衡」には役立つかもしれないが、長期的な「財政再建」に対しては大きなマイナスとなる。

◎ したがって今回は消費税アップを見送るのが正解

こういった主張は、あまり受けがよろしくないようだ。しかし投資業界の人間としては、それが現実の経済活動に根差した、合理的な方法だと思う。実際にアメリカはその政策で雇用を回復させ、世界に先駆けて量的緩和をやめようとしている。そして何より、もう他に道はないではないか。

もちろん景気回復や財政再建の責任を、日本銀行や省庁に背負わせようとは思わない。政治家が決断し、その責任でやるべきである。
安倍首相には是非、異次元緩和や国土強靭化を支持して、安倍自民党に投票した人々も多かったことを思い出していただきたい。消費税引き上げはその支援者を失望させ、他の政策の効果まで打ち消してしまう強烈なマイナスの切り札となってしまう。せっかく積み上げた経済政策の成功を、それで台無しになってしまうのは大変もったいない。

「短期的な財政均衡」に目を奪われて「長期的な財政再建」という目標を見失ってしまわぬよう、消費税引き上げの凍結を強く進言したい。

安間 伸

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 一橋大学法学部を卒業後、三菱信託銀行にて債券デリバティブ・トレーダー、その子会社の投資顧問会社でファンドマネージャーとして資産運用の道へ進む。その後シティトラスト信託銀行に移籍し、個人富裕層向けグローバルバランス商品の運用を担当。特にグローバル投資、裁定取引、投資モデル開発、投資税制などに精通する。 いつも投資収益を最大化することばかり考えている筋金入りのコントラリアン(逆張り投資家)。平均的な指数に追随しなくてはならない仕事に疑問を感じ、従業員として働くことにも疲れたので2002年に退社。2006年6月ワイルドインベスターズ株式会社を設立。投資助言を本業としながら「日本を投資大国にする!」ための情報提供を続けている。一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)金融コース卒。CFA(AIMR認定証券アナリスト)。著書に『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ 投資と税金篇』、『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ2 タブーとリスク篇』『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ3 「錬金術入門」篇』『ホントは教えたくない資産運用のカラクリ4 新バフェット流で資産運用』(東洋経済新報社刊)などがある。
 

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