安倍首相、消費増税は凍結しましょう 増税=超絶デフレ政策なら、アベノミクスは台無しに
ここで大事なのは、「アメリカ政府は借金を返したわけではない」ということだ。この30年、アメリカの政府支出は減ってない。累積債務は今でも増え続けている。しかし同時に経済成長もしているので、借り換えや利払いに懸念はない。日本が目指すべき「財政再建」の方法はこれしかないと考える。
異次元緩和は財政再建への第一歩
ではどうやって、名目GDPを成長させるのか?
実はインフレを2%程度に保つことが大きなひとつのカギであり、いま日銀が取り組んでいる異次元緩和は「長期の財政再建」にもつながる第一歩なのだ。年間2%程度のインフレは、経済の良薬だ。
それは実質的な「貯蓄税」であり、眠っている預貯金を消費や投資に駆り立てる。デフレで凍りついた経済を円滑に回す原動力となる。資産価格を上昇させ、税収を増やす。過去の借金を目減りさせ、返済を楽にする。ビジネスを育てて経済を立て直すための「必要環境」と言えるだろう。
2%程度のインフレは資金の貸し手にとっても利益となる。デフレが続くと借り手が倒産し、貸し倒れで元本ごと失う可能性が高くなるからだ。それよりも2%程度のインフレを容認して返済の可能性を高め、自分は3~5%程度の金利をもらう方が良いだろう。
インフレ率が2%になれば通常の金融政策も効くようになり、デフレの罠から脱却して経済が正常化するはずだ。借り手にも、貸し手にも、政策決定者にも嬉しい環境。それが「インフレ2%の世界」である。(インフレ政策のメリットについては、拙著「超絶バブルの安全な投資術-バブル期に始める株式投資の勝ち方」第二章「インフレ政策7つのメリット」を参照のこと)
このままでは日本経済が政府債務に押し潰されることははっきりしている。それに対して「支出カット+増税」を行ったのでは、死期を早めてしまうことになりかねない。
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