安倍首相、消費増税は凍結しましょう 増税=超絶デフレ政策なら、アベノミクスは台無しに

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日本政府の国債発行残高は現在約850兆円。そして昨年の政府支出約90兆円に対し、税収は年間45兆円程度である。今日から政府支出をゼロにして税収をすべて返済に充てても、国債の元本を返すだけで20年弱かかる計算だ。しかしそんな政策はありえない。なぜなら政府支出をゼロにしてしまえば、来年の税収は45兆円を大幅に割り込んでしまうからである。

「アメリカ方式」を参考にせよ!

では90兆円の支出を45兆円に減らして、「財政均衡」を目指せば良いのか? あるいは増税をして45兆円の税収を90兆円に引き上げたら良いのか?それでも似たようなことが起こるだろう。倒産や失業が増え、デフレが深刻化し、また税収が落ち込む。そして「財政均衡」を目指してさらなる増税―――過去20年間さんざん目にしてきた負のスパイラルである。

もはや「支出カット+増税」で日本の政府債務を返そうとしても無理なのだ。それを実現しようとすれば失業や倒産が増えるのはわかりきっている。短期の「財政均衡」を目指すことは、長期の「財政再建」にとって逆効果というわけだ。

では発想を変えて、借金を減らすことをやめてしまおう。そう書くと語弊があるが、「名目GDPを成長させて、利払いや借り換えに問題ないレベルにまで政府債務比率を下げてしまおう」というのが、残された唯一の解決策である。

幸いなことに、アメリカ政府というお手本がある。

1990年代の前半、アメリカ政府は財政破綻の淵にあると言われていた。しかし当時、実は日本もアメリカも財政赤字/名目GDP比率は70%程度であった。いまや日本のそれは200%を大きく超えているのに対し、アメリカは100%を超えた程度である。

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