「改革力で優れている大学」103校ランキング 1位近大、2位立命館大、3位が東大の理由は?

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このような厳しい状況は今後、少子化と相まってさらに加速していく。今まで以上に魅力的な大学へと変わらないことには、生き残りはより厳しくなっていく。淘汰が進むのは当たり前のことであり、どこの大学にとっても改革は待ったなしの状況だ。

学生募集が厳しい大学にとっては、改革によって、学生数の確保で「量」が主な目的になる反面、学生募集に不安がない有名大学は、入学者の「質」の向上を狙うことになる。子どもの数が減少すれば、当然ながら、優秀な学生も減っていくからだ。

少子化が進むことは、以前から分かっていた。しかし、多くの大学では、「これだけ受験者が来ているのだから、うちに限って学生募集が厳しくなるような状況は起こらない」と考えていた。ところが、それがあっという間に変わってしまったのである。その中でも早くから改革を実施してきた大学も少なくない。

では、改革が進んでいる大学はどこか? それを推し量る指標として作成したのが、「改革力が高い大学ランキング」だ。

トップは4年連続志願者数日本一の近大

このランキングは、常に大学についてウォッチしている、高校の進路指導教諭による評価を基に作成した。大学通信では毎年、全国約2000進学校の進路指導教諭にアンケート調査を実施している。昨年は711校から回答を得たが、その中で「改革力が高い大学」はどこかを聞いた。5校連記で大学をあげてもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント、以下3、2、1ポイントを割り当てて、合計を集計し、ポイントの高い順に並べた。

トップは近畿大学だ。今年の志願者数は14万6896人、4年連続で日本一に輝いた。2007年の志願者数は6万人台であり、ランキングも9位にとどまっていたが、この10年間で志願者数を倍以上に伸ばした。前年比でも、志願者は2万6981人、22.5%も増えている。

近畿大学の改革内容を見ると、学部新設では2010年に総合社会学部、2011年に日本初の建築学部、2016年に国際学部を設置している。国際学部は語学教育で評価の高いベルリッツとタイアップし、開設年度から人気を集めた。国際ビジネスで活躍するグローバル人材育成を目的とし、入学後、半年間は少人数の語学教育や海外のことを学び、1年生の後期から2年生の前期まで1年間留学するのが必須だ。現在は留学中の学生の映像をホームページで公開中。改革力だけでなく、広報力の高さも、その特長として挙げられる。

さらに、2020年の完成を目指して、メインキャンパスの整備も進む。今年は5つの建物からなる、アカデミックシアターが竣工した。2400席用意される24時間オープンの自習室、蔵書の3割がマンガという画期的な図書館などもある。

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