Nゲージ大手3社、価格・製品戦略は大きく違う 日本の「鉄道模型ビジネス」を学術的に考察

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3ブランドの電気機関車模型製品バリエーションの数を車種別にまとめてみると、車種によって、3つのブランドが市場に投入する製品バリエーションの数は、大きく異なる。例えば、EF65やEF64などは、3ブランドで30を超える製品バリエーションが市場に存在している。他方で、ED92やEF30など1バリエーションしか市場に投入されていない車種も存在する。同車種における製品バリエーションの多さは、競合製品の多さと換言できる。したがって、1車種を小さな個別の製品市場と見た場合、各車種の個別の製品市場は競合製品の多寡が大きく異なる特性を有するといえる。

各社のWebページ在庫データ(2017年2月現在)を基に算出

次に、ブランドごとの市場投入している状況を見た場合、「マイクロエース」が最も多い46車種を市場投入しており、「KATO」が32車種、「TOMIX」16車種と続く形となっている。

では、競合製品の多寡が大きく相違する車種別に見た個別の電気機関車模型製品の製品市場に対して、3ブランドの市場投入製品のバリエーション数にはどのような相違が存在するのか。

「TOMIX」は、競合製品が3製品以上ある市場に自社の全投入製品のバリエーション数の70.6%を投入しており、対照的に競合製品が3製品未満の市場には29.4%程度しか投入していない。すなわち、「TOMIX」は市場において他ブランドが製品化している車種を中心に製品化していることがわかる。

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