社長は税理士!型破り鉄道模型会社の快進撃 SCに続々出店「ポポンデッタ」

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趣味が高じて税理士の道から鉄道模型店の経営へ飛び込んだ、ポポンデッタ代表取締役の太田和伸さん(撮影:尾形文繁)

「ポポンデッタ」という名前を聞いたことはあるだろうか?全国のショッピングモールなどに、大型の鉄道ジオラマを備えた鉄道模型店を展開する企業だ。現在の店舗数は、鉄道模型の走るカフェを含め全国38カ所、総売上高は約16億7900万円(2013年8月期)と、鉄道模型店として例のない規模を誇る。同社は、17年前に鉄道模型好きの青年がひとりで立ち上げた中古品のネット販売からスタートした。

「鉄道模型の楽しさを多くの人に伝えたい」――。その想いが、業界の常識を超えた展開を実現してきた。

「あの機関車が欲しかった」

きっかけは、1両の機関車だった。

「EF81形300番台のローズピンク塗装が欲しかったんです」

ポポンデッタ代表取締役の太田和伸さん(44)は1999年の創業時を思い出して語る。

EF81形300番台は、国鉄時代に登場した電気機関車。海底を通る関門トンネル用としてさびにくいステンレス車体で製造され、側面にコルゲートと呼ばれるヒダがあるのが特徴だ。一時期、常磐線で活躍した一部の車両はローズピンク色に塗装されており、常磐線が好きだった太田さんは、この機関車のNゲージ鉄道模型をどうしても手に入れたかった。

だが、模型メーカーのカタログには載っているものの、当時はなかなか再生産されず、まったく手に入らない状態だったという。

そんなある日、当時、まだ盛んだった個人売買の雑誌に「自分の所有するNゲージ鉄道模型すべてを35万円で売る」との記事が掲載された。その中にはお目当ての「EF81形300番台ローズピンク」が含まれていた。

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