「オオカミくんには騙されない」人気の舞台裏 AbemaTVでヒットを生むリーダーの仕事術
――想定外の分野でチャレンジをすることになった時に、そこで成果を上げるために心掛けていることはありますか?
まずは、自分が「面白い」と思えるところまでその分野のコンテンツをしっかり楽しむことですね。ゲーム作りと番組作りは業界こそ違いますが、人を楽しませるモノ作りという意味では同じ。自分が作るサービスと、自分の間に距離をつくらないようにしたいと思っています。今回も、『AbemaTV』はもちろん、地上波のテレビ番組も今まで以上にたくさんチェックするようにしました。そして、どんなコンテンツが響くのか、楽しいと思えるのか、自分の感覚で掴むところから始めましたね。
リーダーは“ぶらしてはいけない軸”を守り続けること
――では、ゼロベースからのスタートで四苦八苦する中、『オオカミくんには騙されない』が生まれたきっかけは何だったのでしょうか?
まずは「若い女性が思わず胸キュンするような番組を作ろう」というテーマがあって、それに向けて何度も話し合いながら企画を出し合いました。最初に決まったのは、「同世代の女の子たちから支持されているモデルの女の子たちを集めて、何か恋愛モノをやろう」ということ。いろいろな方にご相談する中で、「ティーンモデル同士のカップルはいつの時代も話題を呼んで人気になる」というお話をしていただいたことがきっかけとなり、これを入り口に企画を詰めたいなと考えました。そこから先、もう1つ新しい要素が必要だなという話をしていたのですが、なかなかいいアイデアが浮かばなくて、1カ月以上はずっと企画出しの期間が続きました。
――最低1人以上、嘘をついている男の子がいるというコンセプトが秀逸ですよね。これは、どんな背景から生まれたんでしょうか。
さまざまな案を出し合う中で、「出演者の中に嘘つきが潜んでいる」というキーワードが出てきて、それを聞いた瞬間に「人狼ゲーム」のようで面白そうだし、「誰が嘘つきか」という会話がネット上で生まれそうだなと思い、そこで一気に企画が固まりました。ただ、少し引っ掛かったのは「嘘つき」という言葉。ちょっと直接的過ぎて、若い女の子ウケがあまり良くないかなという懸念があって。何て言ったら面白いかなと考えているうちに「オオカミ少年」から「オオカミ」という言葉が浮かんできて、スッとはまる感覚があったので最終的に「オオカミくん」という言葉が決まりました。