FDとは、一言でいえば、顧客本位の業務運営を指す。金融庁は今年3月に策定した「顧客本位の業務運営に関する原則」で、グループ内取引を含む利益相反リスクの管理と開示や、手数料等の明確化、顧客に適合する商品の提供などを求めた。
4月には、同庁の森信親長官が日本証券アナリスト協会のセミナーで講演。「来年1月から始まる積み立てNISA(少額投資非課税制度)の対象となりうる投資信託は、現在日本で販売されている5406本のうち50本弱しかない」「日本株アクティブファンドの過去10年の平均リターンは年率1.4%(信託報酬控除後)で、日経平均株価の上昇率3%を下回る」などと、業界の課題を指摘した。
こうした金融庁の直近の動きが証券大手2社の営業体制刷新に影響を与えたかというと、スケジュールの点からは考えにくい。ただ、3年前から続く金融庁のFD徹底の姿勢が、顧客と最前線で接している営業店の権限を高める方針に傾かせたことは想像にかたくない。実際、今年の野村HDの経営説明資料には「お客様の信頼、満足度を高めることによって、ビジネスを拡大する」「低リスク商品の販売を強化」といった文言が躍る。
この記事は有料会員限定です
残り 1521文字
