前川vs官邸、異例バトルの知られざる舞台裏 背景には「文部科学省利権」の争奪戦がある
「在職中に共有してきた文書だ」「辞職するまでは当事者として携わっていた」
愛媛県今治市で新設される獣医学部を巡る加計(かけ)学園問題。前川喜平前文科事務次官は5月25日に記者会見を開き、朝日新聞が5月17日に報じた「総理のご意向メモ」など一連の文書を「本物」だと明言した。
前川氏が緊急に記者会見を開いたのは、これらの文書を「怪文書」と切り捨てる官邸に反撃する意図と思われる。
しかも官邸は22日付けの読売新聞朝刊で、前川氏が文科事務次官時代に新宿・歌舞伎町の「出会い系バー」に通っていたことを”書かせている”。
「調査なら1回か2回じゃないか」
”書かせている”と推測できる理由は、この問題については官邸も当事者であることがわかったためだ。この記事について菅義偉官房長官は当初、「事実関係は政府としては承知していない」とシラを切っていた。つまり、まったくの無関係を装っていたが、前川氏が会見において杉田和博官房副長官から叱責を受けたことを明かすと、26日の定例会見で「杉田氏から、事実だったので厳しく注意した、という報告をあった」と認めた。
その報告はかなり詳細なものだったようで、出会い系バーへ行った理由として「テレビ番組で見た女性の貧困をリサーチするため」と主張する前川氏に対し、菅氏は意味深な笑いを浮かべながら「調査(で出会い系バーに行く)なら、1回か2回じゃないか」と述べている。
ここで浮上する謎は、前川氏の私的な行動がなぜ官邸に把握されていたのかという点だ。
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