知らないと損!「通勤中のケガ」の正しい対処 いつもどおり病院に行ってはいけない

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2.月末までに行動を

病院は、健康保険でかかれば健康保険組合に治療費の7割分を、労災でかかったときは労働基準監督署に治療費の全額を請求しています。

ポイントは請求のタイミングです。病院は当月の請求分を月末で締めて、翌月上旬には請求しています。つまり、月をまたいで翌月に労災への切り替えの話をしても、病院が請求した後では病院での精算や切り替えが難しくなるのです。特にFさんのように月末近くに病院に行った場合は注意が必要です。

絶対に無理かと言われるとそうとは言えませんが、かなり煩雑になってしまうのは間違いありません。

では具体的にどうなるか。Fさんの治療費は、今までFさんが病院の窓口で3割分を払い、健康保険組合が残りの7割分を負担していましたので、まずFさんが健保組合に治療費の7割分を返金しなければなりません。そして、返金後に治療費の全額を労働基準監督署に請求するということになります。

大きなケガで手術したときや長期間通院している場合は、治療費の7割分も高額になります。たとえば、病院で30万円支払っていたようなケースでは、7割にあたる70万円をいったん、支払わなければならないということです。したがって、通勤途中(業務上)にケガをして病院にかかる場合は、まず最初に「通勤途中(業務上)にケガしたこと」を病院に伝えることが重要なのです。

労災指定病院かどうか

3.できるなら労災指定病院を選ぶこと

労災の場合は、病院選びもポイントです。なぜなら、労災の指定を受けている病院(労災指定病院)と労災の指定を受けていない病院があり、手続きの手間がだいぶ異なるからです。

労災指定病院は、労災専用用紙を病院に提出さえすれば、窓口で治療費を負担することなく、あとは病院が直接、労働基準監督署とやり取りをしてくれます。一方、労災指定を受けていない病院は、病院が労働基準監督署とやり取りできないため、本人が治療費をいったん全額負担しなければなりません。その後、労災専用用紙に医師から証明をもらって、領収書等を添えて労働基準監督署に直接申請することで治療費が返金される流れになります。

ただし、返金される額は、あくまでも労災が適用される範囲に限られます。そのため、自由診療で労災が効かない治療を受けてしまったケースでは、全額返金されないこともあります。また、申請の際に必要となる医師の証明代は、残念ながら返金されません。

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