iPhone利用者が今AirPodsを予約すべき理由 Siriが進化してAirPodsが必須になる可能性

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台所で手が濡れているときに、声だけでタイマーをセットする機能や、米国のわかりにくい重さ単位の換算ではSiriが定着した。この際、エクササイズの計測開始も含めて、腕につねに装着されているApple Watchでの操作が中心となっている。

こうした現状を今後どのように発展させていくのか。

アップルはSiriの発展についても、これまでどおり、アプリ開発者の創造性に任せることになる。そのための環境整備は、6月5日に開催する世界開発者会議「WWDC」で披露することになるだろう。

Siriの開発者向けの環境整備としては2つの方向性が考えられる。ひとつは、より幅広いアプリでの活用に門戸を開くこと、そしてもうひとつは対話型インターフェースの解放だ。

ひとつ目のアプリのジャンル拡大は、必ず実現させるべきポイントだ。現在Siriを活用したアプリを開発できるジャンルは、メッセージ、通話、写真検索、タクシーやシェアライドの配車、個人間送金、そしてエクササイズに限られている。この対象となるジャンルを拡大することで、Siriに対応するアプリの幅を拡げていくべきだ。

たとえばレストラン予約やデリバリーサービス、レシピ検索など食に関するアプリ、ニュースアプリやソーシャルアプリなどのヘッドライン読み上げ、カレンダーやタスクリスト、個人間決済以外の支払いや金融サービスなどから対応をスタートさせるといいだろう。

また、アプリの機能をSiriの中だけで解決するインターフェースの解放も必要となる。Siriで何か命令したとき、そのアプリにジャンプするのではなく、Siriが音声で結果を返し、それに対して追加のオーダーを行う、といった対話型による操作を実現する仕組みが利用できるようにならなければ、結局Siriをアプリ起動にしか利用できないからだ。

AirPodsの重要度がさらに増す

アップルが今後、テクノロジー業界のトレンドをフォローし、Siriの活用範囲の拡大を行っていくことは、われわれがiPhoneを「声で操作する場面」が飛躍的に増えていくことを意味する。Siriが音声によるフィードバックと対話型インターフェースを強化することは、ただ利用者の声を拾うマイクがあるだけではなく、われわれがパーソナルにSiriの言うことを聞き取れるヘッドホンが重要になる。

その際に必要となるデバイスが、ワイヤレスヘッドホン製品であり、AirPodsは最も軽い装着感で常用しやすい製品といえる。

AirPodsにはW1チップが内蔵されており、長時間のバッテリー寿命と手軽な接続性を実現している。AirPods本体の操作なしにiPhoneからMacへと接続先を変更でき、モーションセンサーによりAirPodsを2度タップするとSiriが起動する。アップル傘下のオーディオブランドBeatsからも、W1チップ搭載のBluetoothイヤホン「BeatsX」とBluetoothヘッドホン「Beats Solo3 Wireless」が用意されている。

SiriをAirPodsと組み合わせて利用する体験は、今後のiOSの進化とアプリの充実によって、中心的な存在となっていく。次世代のiPhoneを最大限に楽しむために、AirPodsが必須なのは間違いない。欲しいと思った時にその場で入手できれば理想だが、これからも供給不足が続く可能性がある。Siriの進化に関心を持っている読者は、6週間で入手できる今のうちに予約しておいたほうが無難といえるだろう。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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