「はっきり内容を覚えている夢」の持つ役割 しっかり眠れているかどうかがわかる
「睡眠」に関して、たくさんの人が興味を寄せる分野のひとつに、私たちが寝ている間に見る「夢」があります。
楽しい夢や恐い夢、現実的にはありえない不思議な夢――。しばらくすると、忘れていることも多い「夢」ですが、実は科学的にみても「夢にはきちんと役割がある」のです。
「なぜ、人は夢を見るのか?」
「抽象的で辻褄の合わない夢を見るとき、いったい何が起きているのか?」
「『見たい夢』を見ることはできるのか?」
「夢については、実はこれまでいろいろな実験がされてきて、その役割や意味もわかってきつつあります」。『スタンフォード式 最高の睡眠』の著者でスタンフォード大学医学部教授の西野精治氏が、あまり知られてこなかった「夢の正体」について科学的な視点から解説します。
「寝ている間」ずっと夢を見ている
どうして私たちは、夢を見るのでしょうか? はたまた、夢とはどのような現象で、どんな役割があるのでしょうか?
私たちは眠っている間、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」をそれぞれ一夜に4回ずついったりきたりしているのですが、夢に関しては「レム睡眠のときに人は夢を見る」とよく言われてきました。
「起きたときに覚えている夢」というのは、通常目が覚める直前に見ていた夢になります。普通、人が目覚めるときは浅いノンレム睡眠やレム睡眠のタイミングであり、その「最後のレム睡眠のときに見ていた夢を鮮明に覚えている」ことから「レム睡眠=夢を見る」とされていたわけです。
1950年代に「レム睡眠中に鮮明な夢を見る」ことが発見されたのですが、その後の「夢見体験」の実験中、深いノンレム睡眠中に起こしてみても、頻度は低いのですが夢を見ていることが判明しました。
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