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家系は、そもそも1974年創業の「吉村家」(当時は新杉田駅近く)を源流とする。「吉村家」の流れをくむ弟子や孫弟子の店が神奈川県を中心に広がっていき、「本牧家」「六角家」「杉田家」など数々の人気店をつくった。当時からラーメンファンの間で「家系」と呼ばれていたが、特に1994年に「六角家」が新横浜ラーメン博物館にオープンしたのをきっかけとして一気に火がつき、一般にも広がっていく。
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ちなみに「壱六家」「松壱家」など、吉村家とは別の家系の流派もある。いわゆる「壱系」といわれるこの流派はFC(フランチャイズチェーン)展開を始めたり、セントラルキッチンを採用したりとさまざまな取り組みをしているが、歴史もあり味も安定していることから家系ファンの中でも1つの流派として認められている。
家系ブームに乗って
そんな「~家」と屋号のついたラーメン店で、最近目立って増えているのは大手外食系企業によって運営されているチェーン店だ。ラーメンファンの間では「資本系」と呼ばれることもある。そんな「資本系」は吉村家をルーツとする「家系」とは、まったく別の流れから始まっている。
ラーメン評論家の山路力也さんは、「『家系』という通称が広がっていったことが問題です」と指摘する。「吉村家」が開店した頃、創業者の吉村実氏は「家系」を名乗っていなかった。「家系」という言葉はファンの間で勝手に広まっていった言葉で、商標登録がなされていたワケでもない。
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家系ブームに乗っかって、2000年過ぎ頃から「~家」をつけながらも、吉村家やその系列店の流れをくまない豚骨しょうゆラーメンのお店がさらに増え始めた。そして、ここ3~4年で数社の「資本系」が一気に家系ラーメン店を各地にオープンさせたという図式だ。
この増殖は自然発生的なものではなく、「資本系」の戦略によるもの。だから家系がブームなのではなく、家系を名乗るチェーン店が一気に増えただけと見たほうがいい。むしろ本家の系列店は減っているというのが現状だったりもする。
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