これで「サブ2」への取り組みはさらに本格化していく。ランナーの潜在意識が変化して、トレーニングの質が高くなる。各メーカーはタイム短縮のための最新テクノロジーを次々に開発して、大会主催者側も高速化への対応を推し進めるはずだ。今後、数年の間に2時間01分台、0分台というタイムが現実的なターゲットになるだろう。
低迷する日本マラソン界も大胆なイベントを仕掛けて、それをパフォーマンスアップにつなげることも戦略のひとつだと著者は思っている。非公認記録でも、誰かが2時間04~05分台のタイムを刻むことで、それが起爆剤になる可能性があるからだ。たとえば、日本記録(2時間06分16秒)を大きく上回る「2時間05分切り」を目指す「サブ5チャレンジ」という類似のイベントを開催してもいい。1km2分57秒ペース(5km14分45秒ペース)で走ると2時間04分29秒以内でゴールできる計算になる。
実業団駅伝とは別の切り口にして、ナイキ(大迫傑、設楽悠太、服部勇馬、村山紘太など)、アディダス(今井正人、神野大地など)、アシックス(井上大仁、村山謙太など)、ミズノ(佐藤悠基、村澤明伸など)というスポーツメーカーがサポートしている選手を2人ずつ出して、競わせるのも面白い。出場するランナーが所属するチームの選手たちが交代制でペースメーカーを務めて、給水などもサポートする。
2時間05分を切ったら1億円のボーナスとうたえば
2時間05分を切ったら1億円のボーナスを出せば、選手たちのモチベーションが上がるだけでなく、レースの注目度もアップする。純粋にイベントとしてワクワクするし、“日本最速シューズ”はどのメーカーという視点もできる。参考記録でも誰かが2時間04~05分台を出せば、公認レースでの2時間06分台、日本記録(2時間06分16秒)の更新は現実的な「タイム」と感じるようになるだろう。
前半は「動き」が少ないので、一般公募で4人の挑戦者を選び、ペースメーカーに5kmつくことができたら1000万円という企画を同時進行してもいい。脚自慢のホスト、ユーチューバー、イケメン俳優。国籍を変えた芸人ランナーなどが参加すれば絶対に盛り上がる。
ちなみに5kmを14分45秒で走るのは、そこそこ強い高校陸上部レベル。猫ひろしクラス(フルマラソン2時間30分前後)の走力では2~3kmで離されてしまうはずだ。エンターテインメントとして充実するだけでなく、トップランナーのすごさがわかる企画になると思う。
予算の豊富な民放のテレビ局でやってもらえるのが理想だが、それが無理ならインターネットTVでもいい。イベントのショーアップ化と、競技力を高めるための取り組み。それを組み合わせた新たなチャレンジを日本でも見てみたい。(=敬称略=)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら