僕たちが「丸目の古いクルマ」に惹かれる理由 実は盲目になっていたかもしれない
「最近気に入ったクルマありますか?」と訊かれて困るのには理由があった!? クルマと社会の交差点にある「クルマ文化」にストップかゴーの判定を下す好評連載。今回のテーマは古いクルマの魅力について。
“いまのもの”と“過去のもの”
ぼくは古いクルマについて書くことが時々ある。いっぽうで新車についても書く。自分のなかでは、新車は旧車の延長線上にあるものと思っていた。しかし……。
どうもそれは思い違いだったかもしれない。最近そう思うようになってきた。というのも、ぼくと若いひとたちの見解のそごが目立つからだ。ちょっと意味不明かもしれないのでもう少しわかりやすく書くと、若者はクルマを“いまのもの”と“過去のもの”とで、はっきり区別するということだ。
いっぽうで、ぼくは、さきにも触れたようにゴルフなら74年の初代から現在までのモデルを一直線にとらえている。
たとえば初代ゴルフは、それまで主流だったビートルが、リアエンジン/後輪駆動だったのに対し、フロントエンジン/前輪駆動になったし、丸っこいビートルに対して直線基調のスタイルになったのも衝撃的だった。そしてなによりハッチゲートを備え、機能的だった。
83年の2代目は、大きなエンジンに加えパッケージングの改良で“まっとう”な乗用車になった。91年の3代目は狭角V6など先進技術が採用された。そういう具合に、ゴルフは時代に合わせてさまざまに変わってきた。でもハッチバックのミドルクラス乗用車という核に大きな変化はない。