日経平均株価は続伸、連日の年初来高値に 減益予想のトヨタ自動車の株価も反発
[東京 11日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。連日で年初来高値を更新した。為替が1ドル114円台と円安に振れたことが支援材料となり、序盤から買いが先行。短期的な過熱感が重しとなったが、じり高基調を継続し、後場に心理的節目の2万円まであと約10円の水準まで上昇する場面があった。
TOPIXも小幅に続伸。マイナス圏から切り返し年初来高値を更新した。東証1部売買代金は2兆7932億円と今年3番目の大きさとなった。
日経平均先物6月限は後場に一時2万円を付けたものの、現物指数の大台乗せには至らなかった。米通信業界の再編に孫正義社長が意欲を見せたソフトバンクグループ<9984.T>が上昇し、1銘柄で日経平均を約20円押し上げる要因となった。
前日に決算を発表したトヨタ<7203.T>は前日比で一時1%を超す下げとなったが、売り一巡後は持ち直し、反発して取引を終了。「想定為替レートが対ドル105円であることや、設備投資、研究開発費などを考慮すると、トヨタは少しアク抜けした印象。ただ全体相場は戻り売りが出る中、新規の買いが今ひとつ入らない状況となっている」(内藤証券・投資調査部長の田部井美彦氏)との声が聞かれた。
翌日は5月限日経225オプションSQ(特別清算指数)算出日。「SQを通過すれば需給的に軽くなり、一段高が期待できる」(国内投信)との見方があった一方、「(現物指数がSQ推計値を下回って推移する)『幻のSQ』となれば、しばらくは上値の重い展開になる」(外資系証券トレーダー)との指摘もあった。
業種別では化学工業<.ICHEM.T>が新高値を付けた。取引時間中に決算を発表したクラレ<3405.T>が急伸したことなどが寄与した。「買われてもまだ割高な水準ではないことが、化学株の堅調さにつながっている」(内藤証券の田部井氏)という。
このほか、18年3月期の当期利益予想が前年比62%減となる見通しを発表したTDK<6762.T>が反落。17年4─6月期の営業損益が150億円の赤字になる見通しを発表したジャパンディスプレイ<6740.T>は11%超の下げとなった。半面、大林組<1802.T>によるTOB(株式公開買い付け)の発表を受け、大林道路<1896.T>はストップ高比例配分となった。
東証1部騰落数は、値上がり979銘柄に対し、値下がりが877銘柄、変わらずが159銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 19961.55 +61.46
寄り付き 19943.95
安値/高値 19906.35─19989.94
TOPIX<.TOPX>
終値 1586.86 +1.67
寄り付き 1587.61
安値/高値 1581.90─1588.84
東証出来高(万株) 229202
東証売買代金(億円) 27932.04
(長田善行)
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