「信頼され続けるメディア」は何が違うのか エコノミスト誌が174年間堅持していること
フランクリン:深刻な事実誤認があったという時には、もちろんそれを認めて、オンライン上で訂正を出します。雑誌のほうでも必要な場合には、訂正とかお詫びとかいうかたちで雑誌のほうでも出すようにしています。間違いが起きないように事実確認は注意深くやっていますが、ただミスがあった時には、それを認めるということも信頼できるメディアの一つの証になっていると思います。
山田:東洋経済オンラインでも、重大なミスがあった時には追記を入れた上で正しい内容に更新をしてそれを残すようにしています。
ところが日本の多くのメディアは、間違った場合にそのまま削除してしまうケースが多い。あるいは、いつの間にか大幅な書き直しを行ったりする。紙媒体の場合には訂正を出す場合があるが、それにも及び腰です。そのことが逆にメディアの信頼性を落とす原因になっていると思います。
誤りを隠すようでは信頼されるはずがない
フランクリン:深刻な誤りがあったら、記事の末尾部分に「以前の記事内容にはこういった間違いがあった」と正確に説明することは、非常に重要だと思います。
発行者と読者の関係は、長期的にわたる信頼関係です。自分たちの価値観に基いて、問題が発生した時にはそのことを読者に対して伝えるべきです。それができないと、せっかく築いた信頼関係はあっという間になくなってしまう。恥ずかしいから隠しておいて時間が経つのを待つという姿勢では、信頼されるはずがありません。
山田:日本の大手メディアは基本的に無謬主義、自分たちは絶対間違えないんだっていうことを前提にやっている。訂正を出すと記者の失点になるという思いも強い。ここを改めないからこそ読者からの信頼を失っているともいえます。
また、われわれは時の政権に対する中立的な姿勢という点でも『エコノミスト』から学ぶ点は多いと考えています。どうしても、政府の政策に対しておもねるか、もしくは反発するか、という2分論になりがちですから。
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