あるいは、専門商社で営業をしているDさん。大口の取引先の担当者から「業績は順調ですか?」と聞かれたので、(正直に)「今期は過去最高益を上げられそうです」と回答。すると
「儲かっているなら安くできるよね」
と次回以降の発注で嫌味な言葉も添えた値引き依頼がやってきました。これまで値引きなど要請されることがなかった取引先から想定外の要望です。Dさんは上司に値引きの相談をすることになりましたが、上司は呆れた顔で、
「君はパンドラの箱を開けてしまったようだ。値引き依頼は断ることはできないだろうから、仕方ない……」
と、値引きを受け入れるよう指示をしました。会社的には大きな利益損失となったようです。
ちなみにDさんの会社は非公開企業。業績を詳細に開示していません。値引き対応をせざるえない状況をつくったことに対して、社内では「融通の利かないやつ」とレッテルを張られることになったようです。ついには営業から外されることになりました。こうなると正直すぎる発言が失言になったと自覚、反省するしかありません。本人的としては不本意でしたが反論することはできませんでした。
失言で社内をかき乱したKさん
さらにもう1つ、社内での(正直すぎる)不用意な失言を紹介します。事務機器メーカーで管理部門に勤務しているKさん。ある同僚に、
「自分は周囲から何かあだ名で呼ばれているのかな?」
と本人から聞かれたときに、(正直に)「●●と呼ばれていますよ」と返答。すると、そのあだ名が本人が傷つく表現だったので、「なんだと。ばかにするな」と大激怒。「そのあだ名をつけた人物を見つけたら、ただでは済ませないぞ」と社内で大きな波紋を起こすことになってしまったようです。
当然ながらその同僚は、波紋を起こした張本人として社内では批判されることになりました。さらに「君も私を●●と呼んでいたの?」と聞かれて、(正直に)「はい」と答えたので、「口も聞きたくない」と絶縁関係になってしまいました。
さらにほかの同僚から「失言で社内をかき乱した」戦犯扱いをされ、職場で居場所がなくなる状況に。現在では転職も考えるくらいに、つらい日々を過ごしているようです。
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