ポルシェが秘める「911至上主義」からの脱却

ケイマン GT4 クラブスポーツに忖度はない

 

ポルシェ ケイマンのサーキット専用モデル「ケイマン GT4 クラブスポーツ」をドイツ・ドレスデンで試乗した。河村康彦がレポートする。

911の呪縛

当記事は「GQ JAPAN」(コンデナスト・ジャパン)の提供記事です

クルマは好きだけど、レースに興味はない。ポルシェには乗ってみたいけど、サーキットで走りたいとまでは思わない。そう考えてる人たちは、きっと少なくはないはずだ。

だが、あまたある自動車ブランドのなかで、とくにポルシェに限っては、レースというイベントも、サーキットというロケーションも、どちらも“切っても切れない縁”にある。

ポルシェとともに歩み、そして育ってきたといっても過言ではない今日のモータースポーツ。その主役は歴史的に、リア・エンジンの後輪駆動車である最初のポルシェとしての356や、そこから発展した911が担ってきた。ひとつの転機は1996年に発表したミドシップ・オープン・スポーツカーのボクスターによってもたらされた。ボクスターはその後、順調に成長し、2005年にはよりピュアな走りを追求したクーペ・バージョンのミドシップ・スポーツ、ケイマンが登場するにいたる。このケイマンの到来をもってして、911の、ポルシェの“走り”のシンボルとしての位置に微妙な変化が生じた、と私は見ている。

「911こそが、ポルシェのトップスポーツカーであるというイメージを崩したくない」という、マーケティング上の配慮がポルシェにはあったのではないか、と私は考えているけれど、オープンボディ専用のボクスターならばともかく、それをベースにクーペ化したケイマンの走りのポテンシャルが、より大きくて重たい2+2ボディの後端にエンジンをマウントした911のそれを凌駕してしまうことは理の当然だ。

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