右派の長島氏「ついに民進党離脱」の舞台裏  蓮舫氏の求心力はますます低下していく

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それは2015年8月まで遡るという。当時の国会は安保法制審議の真っ最中で、民主党(当時)は法案成立阻止に懸命だったが、長島氏と細野氏、そして馬淵澄夫元国交大臣が率いる各グループは「解党的出直し」を検討する勉強会を立ち上げていた。

「これをとりまとめて、3人で発表するはずだった。ところがその前に、細野さんが前原さんや江田憲司さんとともに岡田克也代表(当時)に解党を迫ってしまった。長島さんが渡米していて、留守の時だった」(長島氏関係者)

この時、長島氏は激怒したというが、むしろ落胆したのではなかったか。外交防衛畑を歩き国政しか頭になかった政治家が、その翌年に東京都知事を目指そうとしたのも、そうしたことによる心境の変化ではなかったか。

「私としては(離党は)遅きに失した感がある」

「いつが(離党の)ベストのタイミングかは、私には想像がつかない」

長島氏は離党会見でこう述べたが、ようやく今になって、その諦めがついたのではなかったか。なお長島氏は否定しているが、すでに水面下で自民党へ移る約束ができているという話も伝わっている。

実際に自民党の下村博文東京都連会長は長島氏に歓迎の意を示しているし、ある派閥はオブザーバーとしての参加を打診しているという。東京ブロック選出の長島氏は次の衆院選まで自民党籍を得ることはできないが、会派に所属することは可能だ。

民進党には大きな打撃

一方で、長島氏が抜けた民進党の打撃は非常に大きい。10日午後5時頃、蓮舫代表は顔をひきつらせながら衆議院の民進党役員室に入っていった。これから執行役員会が開かれ、長島氏の離党について検討される。より大きな問題は、党内に長島氏に続こうとする離党予備軍が複数いるらしいという点だ。そうなれば、ますます蓮舫氏の求心力は低下するに違いない。都議選を戦うまでもたない可能性も出てくる。

さて長島氏はかつて筆者にこう話したことがあった。「自民党は“左”からの攻撃には強いが、“右”からの攻撃にはめっぽう弱い。民進党はそういう面から自民党を攻めていくべきだと思う」。

その“右”からの攻撃ができる数少ない人材が長島氏だったわけだが、貴重な人材を失った民進党はこれからどう生き残るのか。

安積 明子 ジャーナリスト

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あづみ あきこ / Akiko Azumi

兵庫県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。1994年国会議員政策担当秘書資格試験合格。参院議員の政策担当秘書として勤務の後、各媒体でコラムを執筆し、テレビ・ラジオで政治についても解説。取材の対象は自公から共産党まで幅広く、フリーランスにも開放されている金曜日午後の官房長官会見には必ず参加する。2016年に『野党共闘(泣)。』、2017年12月には『"小池"にはまって、さあ大変!「希望の党」の凋落と突然の代表辞任』(以上ワニブックスPLUS新書)を上梓。

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