FB幹部が伝説のサーフブランドを救ったワケ いつまでも「昔のまま」であってほしい

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
フェイスブックをやめてバードウェルのCEOになったジェフ・クロウソン氏と共同オーナーのナタス・カウパス氏(写真:Carlos Gonzalez/The New York Times)

バードウェル・ビーチ・ブリッチズ――このブランドの名前を知らない人もいるだろうが、知っている人は大好きなはずだ。

こう話すのはマット・ジェイコブソン。彼はカリフォルニアのマンハッタンビーチで父親と一緒にサーフィンをして育ち、夏の間じゅうこのブランドの手縫いのボードショーツをはいていた。

彼は成長して、フェイスブックの最初の従業員の1人となった。56歳となった今ではマーケティング開発の部門を率いており、かなりの貯蓄もできた。その彼が何年も前に、バードウェルを買おうと決めた。設立から55年以上も経ったこのブランドの伝統を守り、同社が南カリフォルニアに存在し続けて、これまでと同じように人間味のあるボードショーツを作り続けられるようにするためだ。

J.クルーでも毎年売り切れ

「バードウェルほどの伝統と評判と、顧客ロイヤルティを備えたブランドは数少ない。ライセンス提供などでかき乱されてもいない」。ジェイコブソンはインタビューでこう話した。「だから、面白いと思ったんだ」。

2014年、彼はついにオーナーであるバードウェル家からこのブランドを買った。バードウェル家のこの事業への関心は薄れており、売却も渋っていた。ジェイコブソンは買い取った株式を友人たちに売り、その友人たちがいま会社を復活させている。

新しいオーナーたちは、成長を目指して攻めの計画を立てている。たとえば、バードウェルはJ.クルー(J.Crew)などの小売業者と提携し、その業者だけの限定バージョンなどを販売している。J.クルー会長兼CEOのミラード・ドレクスラーは電話で、J.クルーはここ3年ほどバードウェルのボードショーツを販売していると話した。

ドレクスラーは言う。「ずっとこのブランドと製品が気に入っていて、何年も買収しようとしていた。だが、マット(ジェイコブソン)が買収に成功し、それは彼にとっても、私たちにとってもよいことだった」。

次ページ知る人ぞ知るブランドの誕生
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事