自動運転に人工知能、難病の特効薬、高性能な新素材……。いつの時代も、画期的な技術が世の中を変えていく。そこに欠かせないのが研究開発だ。とりわけ製造業にとって研究開発は競争力を維持・向上するためになくてはならない血液のようなものだ。
東洋経済オンラインは上場企業の本決算における研究開発費を調べ、トップ300社をランキングにした。どんな会社が積極的に研究開発におカネをかけているのか、売上高、従業員数の企業規模と併せてご覧いただける。
1位はトヨタ自動車で1兆0556億円。自動車業界ばかりか、日本企業全体を代表するメーカーだ。そのトヨタが年間に投じる研究開発費はランキング中、ただ1社だけ1兆円を超えており、まさにケタ違いだ。先端を走るハイブリッド車(HV)関連のほか、燃料電池、自動運転など環境対策やネット対応に向けて取り組むべき課題が多いために、巨額の費用を研究開発に投じている。
上位には日本を代表するメーカーがずらり
2位はホンダの7198億円、3位は日産自動車の5319億円と大手自動車メーカーが続いた。トヨタには及ばないが、自動車は日本企業が世界でトップを争う数少ない産業分野。さまざまな分野で最先端技術のスピード感を伴う研究開発が求められており、それが世界で通用する基盤になっていることを示している。
上位を見ると自動車や電機、製薬などといった大手製造業が多い。中には研究開発費が足元の業績の重荷になっている企業もある。だが、苦しいときも競争力の源泉たる画期的な新技術に挑み続けることが、やがて大きな収穫につながることは、大いにありうるだろう。