「名刺交換」意外とわかってない基本中の基本 基本3動作にひと工夫できれば好印象だ

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さて、最後に3つ目の工夫です。みなさんが、お客様と名刺交換するときは、先輩との営業同行か、自分が担当を引き継ぐときになるのではないでしょうか。このとき、お客様は、みなさんのことを新入社員だと、なんとなく分かります。ただ、入社1年目なのか2年目なのかの区別はつきません。少しでも印象に残すためには、ほんの些細なことでも、迷惑にならない程度で、言葉を追加した方が得策です。

みなさんの社会人経験と、今回の訪問の目的は、営業同行なのか、担当を引き継ぐのか、名刺交換をする理由を付け加えましょう。名刺交換する前に、たいてい先輩が、お客様に、簡単な紹介をしてくれますが、自分も同じように繰り返します。「○○会社の○○と申します。入社1年目で○○(先輩の名前)に同行しております」と言った方が、分かりやすいです。

私が会社員時代のとき、先輩として、新入社員を営業同行させたことが、何度もあります。後日、私一人で、お客様の会社に訪問すると、ごくたまに、先日、同行させた新入社員の話しが出てきます。ですが、「この前うちに来た、新人の……、名前なんだっけ? 元気にしてる?」といった程度しか覚えておりません。

担当を引き継ぐ場合は

先輩から担当を引き継ぐ場合は、もう少し、付け加えたいですね。例えば、出身地が名古屋で、今、東京支店に配属されたというように、位置情報を付け加えると分かりやすいです。お客様の出身地、奥さんの出身地、以前に住んでいたなど、お客様と接点がある場所が出てくると、好感を持ってもらいやすいです。このような文言で、名刺交換をします。「担当を引き継ぐことになりました、○○会社の○○と申します。北海道出身、入社2年目です。よろしくお願いします。」というような感じです。

これで、名前と出身地と入社何年目が分かります。少しでも、記憶のフックになることを伝えた方が、人は思い出しやすいものです。入社1年目だと、新人としてお客様は理解しますし、入社2年目だと、多少の経験があるという前提で対応してもらえるようになります。

新人営業マンの場合、自分という人間を覚えてもらうために何らかの工夫をする。その工夫をする努力こそが、先々お客さまとのつながりにおいて、大きな差を生むのです。普通の名刺交換だけでは、まずお客さまの印象には残りません。ぜひ、「ひと言追加の法則」にあるように、何らかの工夫をして、お客さまの印象に残る名刺交換を目指してください。新人営業マンの印象の9割は、名刺交換で決まるのです。

(文:大岩 俊之/ロールジョブ代表)

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アルファポリスビジネス編集部

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