北陸新幹線「東北とひと味違う」駅前の開拓術 開業から2年「特需」が一段落した信越の今

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上越市と上越商工会議所が、北陸新幹線開業2周年のイベントやセレモニーを見送る中、3月18、19日には東京のクリエーティブ企業と連携して、「フルサット市ウィズ・プレイマルシェ」を開催した。地元と県内各地に加え、富山県高岡市、さらに東京都から43店舗が出店。予想を大きく上回る6600人が来場し、駐車場から車があふれて、「イベント時の駐車場確保」という新たな課題も浮上した。

この来場者数も、実はビッグデータの技術で推計した数字だ。フルサットが利用しているNTT東日本新潟支店のオフィスWi-Fiサービス「ギガらくWi-Fi」のビジネスサポート機能を活用して算出した。フルサットが提供する無線LANを使ったユーザーの計測数を基に、携帯電話やスマートフォンの普及率、インターネット利用率などで補正・推計した人数だという。

周遊パターンの変化に期待

上越妙高駅前に立つ温泉掘削用の鉄塔(右端、2017年2月、筆者撮影)

上越妙高駅前は開業以降、フルサットが孤軍奮闘する状態だったが、地元紙などの報道によれば、東横インやアパグループのホテル開業が決まった。地元企業による温浴施設や賃貸オフィス、飲食店ビルも建設予定で、フルサットから程遠くない場所に、温泉掘削用の大きな鉄塔が立っている。区画整理地域の7割の利用メドが立ったという。

「ここにホテル群ができれば、広域観光客の周遊パターンが変わる可能性がある。これまで、特に西日本から信越観光のために移動してくる外国人にとって、上越市は宿泊の選択肢に入っていなかった。しかし、駅前にホテルができることによって、『まず上越妙高駅前で1泊』という流れができるのでは」と平原さんは期待を込める。

思いがけず、平原さんからフルサットのスタッフジャンパーをプレゼントされた後、上越市議会に向かった。今回の訪問はもともと、同市議会の依頼による、北陸新幹線の課題と可能性をさぐる講演が目的だった。青森市から締めていった北海道新幹線デザインのマフラーと、フルサットのジャンパーを身にまとって会場入りしてしまい、居並ぶ議員の皆さんの目には、いささか異様に映ったようだ。

それでも、筆者が提示した「脱・『昭和の発想』」や「人口減少・高齢社会の再デザイン」という視点は、何人かの議員には届いたようで、ブログ等で好意的に取り上げていただいた。その後、飯山駅へ視察に出向き、市議会の常任委員会で問題提起した議員もおられた、と上越市内の方々から連絡をいただいた。また、3月14日の開業2周年に合わせて、地元紙・新潟日報が組んだ特集紙面には、筆者のインタビューが掲載された。

引き続き、北陸新幹線沿線と北海道新幹線沿線を対比させながら、ウォッチと提言を続けていきたい。

櫛引 素夫 青森大学教授、地域ジャーナリスト、専門地域調査士

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くしびき もとお / Motoo Kushibiki

1962年青森市生まれ。東奥日報記者を経て2013年より現職。東北大学大学院理学研究科、弘前大学大学院地域社会研究科修了。整備新幹線をテーマに研究活動を行う。

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