北海道新幹線(新青森-新函館北斗間、148.8km)は、3月26日の開業から1カ月が経過した。JR北海道は4月13日に、開業から14日間の乗車人員について、前年比で平均217%だったことを明らかにした。慌ただしい年度末ぎりぎりから年度始めの時期に当たることを考えれば、健闘と言える数字かもしれない。
青函地区の人口の少なさも手伝って、乗車率は平均27%止まりだが、最上級席のグランクラスは37%と、普通席やグリーン席を上回る。他方、青森-函館間は運賃が高くなった上に乗り換えが増えて所要時間が長くなり、地元では「心理的な距離が近くなったのにもったいない」「割引料金の導入や乗り換え時間短縮など、もう少し使い勝手がよくならないか」という声が上がり始めている。
一喜一憂するのはまだ早い
開業からわずか2週間のデータを深読みしすぎるのは禁物だ。2015年3月に開業した北陸新幹線でも、当初は乗車人員が1日500人止まりだった飯山駅(長野県飯山市)が、冬季には大幅に利用者を伸ばし、今年2月末には1日2300人を超えたという報道がある。
数字に一喜一憂するのは時期尚早ながら、せっかくのデータは、公表のタイミングも含めて注目に値する。以下、速報的に検証してみよう。
北海道新幹線が開業した3月26日の土曜日、乗車人員は下りが約8200人、上りが約6000人、合計約1万4200人だった。翌27日は下りが約3800人、上りが約4900人、翌々日はそれぞれ3000人、3800人と推移した。区間やカウント方法は明示されていないが、上下の利用を足し引きすると、多くの人が日帰りで利用し、あるいは道南で1~2泊した様子がうかがえる。
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