「スーパー北斗」は北海道の窮地を救えるか 北海道新幹線開業で在来線ダイヤも変化
北海道新幹線・新青森―新函館北斗間が開業した2016年3月26日、接続する函館―札幌間の特急列車体系にも変化が起きた。
東京対札幌の航空機優位は揺るぎそうにないが、東北と北海道の間の交流にはこれまで以上の期待がかかる。
今回のダイヤ改正前、函館―札幌間には9往復の昼行特急列車が運転されていた。281系「スーパー北斗」が5往復と183系「北斗」4往復の内訳であった。
それが新函館北斗に到達した新幹線と接続して、札幌方面への輸送を充実させるため、「スーパー北斗」3往復が増発され、「北斗」と合わせて12往復となった。増発列車は朝と夕~夜間の運転間隔を詰めるとともに、下りは初列車の時刻を10分ほど繰り上げ、最終は函館発を1時間繰り下げ19時55分とした。上り初列車は札幌発を36分早めて6時発とし、終列車は30分ほど繰り下げて20時発(新幹線接続はない)とした。
発火などトラブル続出で緊急対応
ここで、以前の9往復体制について、少々事情を解説しておかなければならない。
北海道では2013年、183系特急「北斗」で発煙、発火などのエンジントラブルが相次いだ。当時、函館―札幌間の昼行特急は「スーパー北斗」7往復と「北斗」4往復で、計11往復が定期運転されていた。しかし同年7月の発火事故を機にトラブルが繰り返され、緊急事態として、特定のエンジンを装備する高速対応の車両36両を使用停止した。そのため定期「北斗」等4往復が長期運休(下り1本は「スーパー北斗」に振り替えて281系で「北斗」を運転)する事態となった。
このため、函館系統には運用していなかった最高速度の低い車両を動員した「臨時北斗」で毎日2往復を補完、さらに週末等に運転する臨時列車、繁忙期の臨時列車各1往復にリゾート車両等を動員して対応した。編成両数は短く、グリーン車もないなどの臨時措置で、輸送力は落ちた。
一方、これ以前に釧路方面の「スーパーおおぞら」に運用中の283系でもトラブルが続いたことを受け、車両運用や検修体制の無理を解消するため、一部の「スーパー北斗」に併用していた運用を止めて283系は釧路方面専用とし、函館方面は281系のみとした。最高速度も下げた(「北斗」系統は130km/h→120km/h化)。
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