札幌市民が「北海道新幹線」をスルーするワケ

延伸ははるか15年後、待望の声も聞かれず…

北海道新幹線の現在の終点・新函館北斗駅に停車する「はやぶさ」。札幌への線路はこの先につながる

ついに北海道新幹線が開業した。北海道各地で開業を祝うイベントが行われており、それは“道都”札幌でも例外ではない。市内各地でのイベントのほか、札幌駅構内や地下街には新幹線開業に関連するポスターが多数貼られるなど、祝賀ムードに包まれている。テレビでも連日新幹線にまつわるニュースが報じられ、まさに“新幹線一色”だ。

しかし、そんな祝賀ムードの中でも、札幌市民の間からは「札幌まで開通するわけでもないし、あまりピンと来ない」という声も聞こえてくる。

「札幌からわざわざ乗りに行く人はいないのではないか。北海道新幹線とは言っても、札幌市民にとってはほとんど関係のない出来事」(30代・男性会社員)
「札幌まで延伸されたら便利だとは思うけれど、まだ函館止まりじゃないですか。それではねえ……。正直“他人事”ですね」(60代・女性経営者)
「まだ函館ですよね。札幌と函館って同じ北海道でもかなり距離があるし、別世界の話ですよ。去年の北陸新幹線が話題になっていた時と、それほど気分は変わりません」(50代・男性会社員)

札幌市民の盛り上がりはいまひとつ

もちろん、「札幌まではまだ来ないけど、それでも北海道に新幹線がやってくるだけでも大きな前進。ぜひ乗りに行きたい」(40代男性会社員)と興奮を隠せない鉄道ファンもいるが、総じて見れば、各種イベントやテレビ・新聞報道の様子とは裏腹に札幌市民の間での盛り上がりはいまひとつというのが現実のようだ。

実際、今回の北海道新幹線の開業は新函館北斗まで。札幌延伸は15年後の2031年春を予定しており、北海道最大の都市にして人口約200万人を抱える札幌にはまだ直接影響を与えるものではない。札幌から新幹線に乗るためには、飛行機で函館空港まで向かうか、約3時間半かけて特急「北斗」「スーパー北斗」に乗って新函館北斗から乗り継ぐしかない。そして、新幹線に乗ったところで、行ける先は飛行機を使えばとっくに到着しているような場所ばかり。これでは札幌市民に新幹線を歓迎しろと言っても、なかなか難しいのも無理は無いだろう。

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