北陸新幹線「東北とひと味違う」駅前の開拓術

開業から2年「特需」が一段落した信越の今

飯山市は人口2万人余り、長野県で最北、かつ人口最少の市だ。観光に今後の活路を見いだしつつ、今後の地域づくりについては、まだ模索も続いている。2017年3月7日付の日本経済新聞(電子版)は、年末年始と1~2月の週末における飯山駅の新幹線降車人数が、前年より12%増えたことを伝える一方、駅前のリゾートホテル計画が頓挫したこと、飯山市の中心部は素通りされていること、地元で2次交通など生活者視点からの施策の必要性があらためて確認されたことを伝えている。

「企業進出が思うに任せない中、私たちのエリアは、まずは観光という視点で、いかに通年で、既存のお客さまとインバウンドなど新規のお客さまに来訪いただき、滞在していただけるかを考えなければ。そのためのサービスや商品、空間を提供していく必要性を実感しています」と大西さんは語る。

整備新幹線開業で、最も効果が期待され、また、最もわかりやすい指標は「観光」関連の現象や数値だ。とはいえ、地元に本当に必要なのは「持続可能性や創造性がどれだけ引き出されたか」という要素だろう。大西さんの言葉にあった「空間の提供」というキーワードに着目しつつ、今後の信越自然郷の動きを追っていこうと思った。

拡張続くコンテナ商店街

「このあたりまで店舗が建ちます」と腕を広げる上越妙高駅前・フルサットのスタッフ(2017年2月、筆者撮影)

短い滞在を終え、11分の「はくたか」乗車で県境を越えて、隣の新潟県・上越妙高駅に着いた。2016年7月、コンパクトながら存在感の大きさに驚いたコンテナ商店街「フルサット」は、さらに成長を遂げようとしていた。

「1棟で始まったフルサットは現在、8棟。さらに11棟に拡張します。雪室食材を使ったスイーツショップなどが入居する構想もあります」。運営する観光コンサルティング会社・北信越地域資源研究所(上越市)の代表取締役、平原匡さんの顔がほころぶ。

近隣の十日市町にあるピザ店の予約限定販売、カレーショップの移動販売車の出店、2月に始まった「プレミアムフライデー」に対応した企画などを試みる一方、地元アーティストによる写真展やイラスト展も開催し、「地域社会への感度」を上げる取り組みを絶え間なく展開してきた。

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