「テロ」と「偽情報」、メディアは課題が山積だ

フェイクニュースが世界を騙している

テロ発生直後、偽情報が氾濫した(写真:ロイター/アフロ)
極右勢力の台頭など次期大統領選の動向が注目されるフランスでは、パリ同時多発テロを1つのきっかけとして、拡散する偽情報に対抗する動きが活発になっている。その背景とは。

パリ同時多発テロで拡散した偽情報

「CNNは153人死亡したと伝えている。これで速報打つぞ!」「パリの寿司屋も襲撃された。日本人被害者もいるかもしれない」――。

GALAC5月号(4月6日発売)の特集は「フェイクニュースが世界を騙す?」です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

現地時間2015年11月13日夜、フランスのパリで、劇場やスタジアム、カフェなどが複数のテロリストによって襲撃された、いわゆる「パリ同時多発テロ」。冒頭の情報は、発生直後、東京からもたらされた情報だったが、後にいずれも「偽情報」だったことが判明する。

市民130人が死亡、パリを襲った前代未聞のテロは市民をパニックに陥れた。メディアも例外ではなかった。捜査当局の公式情報がないなか、メディアも市民がSNS上でつぶやく情報に混乱した。以下の話は、テロ発生直後にSNS上に流れた「偽情報」の1つだ。

「イギリス入りを狙う難民たちがキャンプ暮らしをするフランス北部の街・カレーでは移民たちがパリの襲撃を祝うために『かがり火』をたいた」。実際、火災はあったが、それは電気系統の異常による出火が強風にあおられて炎が上がった、というものだった。テントが激しく燃え上がる写真に誰かが偽情報を付け足し、SNSに投稿したことが拡散のきっかけだった。この情報は一気にフランス全土を駆けめぐり、一部のテレビ局は「ニュース」として、この話を伝えた。

テロ発生直後、特に出回った偽情報は「〇〇で襲撃があった」「〇〇で銃撃戦が起こっている」という類いのものだった。こうした情報が出回るたびに、メディアは確認に追われた。

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