「WiiUはゲームをテレビから解放する」

任天堂・岩田聡社長ロングインタビュー(中)

「早く拡散の臨界点を超えたい」

WiiUでは、テレビゲームをテレビから解放したかったということがあります。

これまでわれわれは、リビングルームにあるいちばんいいテレビにテレビゲームをつないでもらうといいことがあると言ってきました。前機種のWiiが典型ですが、「Wiiスポーツ」や「WiiFit」は実に多くの方に受け入れてもらいました。

ただ、同時に、Wiiは構造的に大きな問題もひとつ抱えていました。一人でじっくり遊びたいときでも、(テレビを独占することになり)家族の邪魔になるから遊べないというものです。

それからもうひとつ。ニンテンドーDSが大きく普及した後にスマートデバイスが出たけれど、表示スクリーンの上にタッチスクリーンがあることで出来る、さまざまな新しいインターフェースと遊びとをWiiUの中にも入れたかったことがあります。

テレビに縛られない構造、タッチインターフェース、それから画面が2つあること。画面が2つある遊びは、こんなことやあんなことができると「ニンテンドーランド」で展開していますが、そういういろんなことが多面的に提案できるというのがWiiUなんです。いろんないいことがあるというのは、ひとつだけ決定的なことがあることより理解してもらうのに、エネルギーと時間がかかる。

いまだ拡散の途上にあると思っていて、社会の中でそれを体感し、実感していく人が増えていくと、われわれの言葉が届かない人たちにもあれはこうなんだと伝えてくれる人が増えていく。いわば物事が社会に普及していくとき、一定の臨界点を超えると、それこそスマートデバイスなどを通じて、お互いがお互いに教え合いながら、教え教えられる関係で広まっていく段階がある。ゲーム機はその臨界点をいかに早く超えるかの勝負ですが、そこでWiiUは苦戦している。

しかし、3DSも苦戦した時期を経た後、結果的に国内外での普及スピードは上がってきています。3DSがそうであったようにWiiUでも同じように状況をぜひ変えていきたい。人々の娯楽に使える時間が細切れになりやすい今の環境だからこそ、家庭用ゲーム機がこれからも必要とされるとしたら、WiiUのように多面的なことができる、こういう構造がこれからも必要とされるのではないかと思っています。

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