保険の年代・年収別モデルプランは現実的か 「経済合理性」と「不確実性」から保険を考える

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自分では用意できない大金が、今日、明日にでも必要になるのだろうか?(写真:sasaki106 / PIXTA)

リスクに応じて商品を選ぶのは正解なのか?

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各種媒体から、年代・世帯(家族構成)・年収などに応じた保険活用のモデルプランの提示を求められることがあります。筆者は抵抗を感じます。「人生のさまざまな局面で保険商品を使いこなす」ことが前提になっている気がするのです。

複数の保険会社のホームページで、年齢・性別・家族構成などを入力して「おすすめの保険」を知るシミュレーションを行うとわかりやすいかもしれません。

概して、20代から40代で未婚の人には「医療保険」や「がん保険」、それから、万が一のことがあった場合、独身でも葬儀費用くらいは用意しておこうと、一生涯、数百万円程度の死亡保障を持てる「終身保険」への加入がすすめられています。

子供がいる人の場合、それらの保険に加えて、死亡時に備え1000万円単位の保険金を確保する「定期保険」などへの加入が不可欠となります。

その他のおすすめには、各社の取扱商品の違いが反映されます。病気やケガで長期間、仕事に就けない事態に備える「就業不能保険」を扱っている場合、現役世代には未婚・既婚を問わず加入が推奨され、「個人年金保険」を販売している会社では、20~50代まで老後資金目的での加入がすすめられる、といった具合です。

このように、年代や家族構成別にさまざまなリスクを想定し、最適な保険を探そうとすると、一生涯、何かしらの保険商品を利用することになります。その前提は正しいのでしょうか?

筆者は、家計のことを考えると「リスクに応じて商品を選ぶ」のではなく、「保険の仕組みになじむリスクを選ぶ」ことが大切だと思います(リスクの定義はさまざまなので、「歓迎したくない事態」とします)。

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