「トランプ」と「テロ」、航空会社はどう戦うか 航空業界団体「IATA」の事務総長に直撃した

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――あなたが昨年までCEO職を務めていたエールフランス・KLMグループは、過激派組織「IS(イスラム国)」から名指しで狙われたこともある。空港や航空会社は、テロなどのリスクにどう備えるべきか。

セキュリティの責任は、一義的には政府にある。ただわれわれがすべきこととして第一に、適切な情報を航空会社や空港など、運航にかかわるすべてのステークホルダーと共有できるシステムの構築を、政府に求めている。彼らはさまざまな諜報機関から集めた情報を持っているからだ。

2つ目は空港での安全確保だ。特に保安検査前のエリアは、基本的に誰でもアクセスできる。飛行機の乗客には速やかに検査を済ませてもらい、保安区域へと送らなければならない。テロなどの潜在的なターゲットになるためだ。

3つ目は航空機への攻撃リスクを抑えること。特にコックピットへの侵入を防ぐことが重要だ。これはわれわれが航空機メーカーとの協議しながら、対策を進めている。

スマートな保安検査を実現

――多くの空港では保安検査に長蛇の列ができている。安全性や顧客の利便性を考えると、必ずしもいい状態とは言えないのでは。

関西国際空港に導入されたスマートセキュリティは、ボディスキャナーなどの最新技術を活用している(写真:関西エアポート)

確かに世界中で共通している問題だ。多くの人々は空港で列に並ぶのにうんざりしている。誰でも入れる公共エリアに多くの人がとどまっていることも避けなければならない。

そこで空港会社の団体である国際空港評議会(ACI)とともに考案したのが「スマートセキュリティ」というコンセプトだ。日本では今年1月に関西国際空港に導入された。手荷物を載せるトレーの移動を自動化したり、(電磁波で衣服の内側を確認する)ボディスキャナーを導入したり、最新のテクノロジーを活用することで乗客の待ち時間を大幅に削減できる。

現在多くの空港に導入を働きかけている。日本では関空の次に伊丹空港で複数のレーンが導入される予定。成田空港では導入に向けた評価が昨年行われ、重要な刷新を近々予定している。羽田空港でも計画が進んでいる。2020年の東京五輪開催に向けて、多くの空港が後に続いてくれることを望む。

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