輸入食材店が目を光らせる異色展示会の正体

「FOODEX JAPAN」で食のトレンドを読む

宇治の製茶問屋のブース(筆者撮影)

お茶を扱ったブースでは、伝統的な日本茶だけでなく、フレーバーティーやお菓子など、お茶の加工品も多く出展されていた。ある宇治の製茶問屋では、OEMやプライベートブランド商品の開発・提案を売りにしていた。たとえば茶葉の容器に社名や好きなイラストを印刷したり、客の好みに応じて、品種の違う茶葉を配合するなどの注文に応じているようだ。反響を聞くと、国内外に限らず反応は高く、引き合いもぼちぼちあったという。

お茶の閑散とは対照的ににぎわいを見せていたのが、お酒やおつまみを扱うブースだ。そのひとつチョーヤ梅酒では、2016年3月に発売した本格梅酒「The CHOYA」の1年熟成、3年熟成、5年熟成ものの飲み比べを行っていた。このうち1年もの、3年ものについては市販されているが、5年ものは生産量が限られるため、空港免税店に限って販売されているという。来場者にとっては、滅多に飲むことができない5年ものの梅酒が味わえる貴重な機会となった。少なくとも5年ものについては輸出には向かないだろうが、国内や海外に梅酒やチョーヤブランドのアピールをする意味では、効果的な出展だったのではないだろうか。

香料などを用いず、熟成とブレンド技術で味わいを極めた「The CHOYA」は、3年熟成となると720ミリリットルで2500円という価格。梅酒は、酒豪というよりはお酒に弱い人や、女性に好まれる傾向にあるほか、カジュアルなお酒というイメージが強い。高級本格梅酒の海外での人気は、案外、期待できるかもしれない。

レストランからの引きが多い「業務用粒うに」

賞味期限が90日程度と長い「業務用粒うに」(筆者撮影)

海外向けの食品を集めた一角では、海産物の出展も目立った。その中のひとつ、うに甚本舗は、下関産のうにをアルコール漬けした「粒うに」の専門店だ。贈答用としては、高いもので100グラム5000円という価格で市販されている。しかしプロを対象とするこの展示会では、より低価格の業務用商品が展示されていた。

この業務用粒うにの特徴は、賞味期限が90日程度と長いことだ。調味されているものなので、生うにとは食感や味わいは異なるが、うに特有の濃厚なうま味は残っている。生うにより扱いやすいということで、レストランなどからの引き合いが多いそうだ。特に最近では「牛肉+うに」の組み合わせがちょっとしたブームのせいか、かなり注目されたようだ。

ただ、海外向けのコーナーにブースを設けているにもかかわらず、外国人からの反響はあまりなかったという。ブースの担当者は、試食品を作っている女性を指して「通訳のためにいてもらっているが、本来の仕事があまりない」と苦笑した。とはいえ、同社としては積極的な海外展開を目指しているわけではないとのこと。レストランのシェフなどからの引き合いがあったことで十分満足のようだ。

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